レプリカ

橘 流依

第1話


白い暖簾をくぐった先は座敷とカウンターのこじんまりした店だった。


どこに座ろうと一瞬悩んでいるとパートの波多野さんが元気な声で手を振り私を呼ぶ。


「橋口さん!ここおいでよ。主役は上座上座」


部長の隣に案内され、空いていた二つの座布団の片方に腰を下ろす。

隣は武田さんだろう。


「みなみちゃん、外回りでちょっと遅くなるから先始めてって、さっき電話あったよ部長」


「そうか。まあ武田さんの異動の時はまた改めてやるし、先に乾杯しちゃおうか」


 部長の言葉に酌をし合う。

私と部長はビール、波多野さんはウーロン茶。

座敷の端に座った市川さんを見ると佐々木さんにビールを注がれていた。

お酒、飲むんだ。


 「えーではお疲れ様でした。バタバタしてて開催が遅くなってしまいましたが、橋口さんの入社と武田さんの営業への異動を祝し、乾杯!」


 「乾杯!」

 

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