マテリアル・ダイバー~世界を行き来する者~
カケル
第1話
1999年、初月地球の資源不足に悩まされ、経済的に枯渇し始めた。その年の7の月、地球の神アースは異世界テオリアの神、テオに交渉を持ち掛けた。
異世界テオリアの神テオと、代表レスタール・セレスタリアと会談の結果、枯渇問題解決の為、不干渉条約を結び、異世界交流という形で合意と共に地球とテオリアは繋がれた。
テオリアのダンジョンで手に入るマテリアルオーブは属性があり、地属性は大地に埋めると花が咲き、水属性は水道要らずの水源となる。その為、今では欠かせない物資となっている。
資源回復の為にダンジョンに潜り、マテリアルオーブを集める者を、
2050年、現在。
「
「忘れ物無いかもう、一度確かめなさいよ」
彼女、
「大丈夫だよ。何度も確かめたから」
二人は荷物の再確認を行い、列車の発車を待つ。
「そろそろ発車する時間だね」
仲守春はうきうきしながら窓の外を眺めたと同時に異世界列車は動き出した。
異世界列車は動き出し、進むと同時に暗闇のゲートが姿を現す。
「ここから異世界テオリアに行けるのね」
「僕達異世界に行くのは初めてだから、楽しみだよ」
二人を乗せた異世界列車はゲートを潜り、テオリアの田舎町エルダムの駅に着いた。そこは出発駅で到着する場所が決まっており、二人は田舎の駅から来たため、テオリア側でも田舎に到着するようになっていた。
「ここで待ち合わせのはず」
仲守春は周囲を見渡し、待ち合わせの相手を探す。
「その人は本当に来るの?」
疑問の表情を見せる里実。
「来るよ! 約束したんだから」
田舎駅の奥から一人の少年が姿を現す。
「二人ともお待たせしたね」
そこに現れたのはテロスという銀髪の少年。
テロスは一匹の狼、ロウと共に二人を迎えにやってきたのだ。
「テロス久しぶりだね」
春達は8年前、地球に来たテロスと遊んだことがあり、その時に友達となっていた。三人は再会を喜び、駆けよった。
「約束通りに迎えに来たよ、ほら、ロウも挨拶」
「ガウッ」
簡単な挨拶を済ませると、春達に武器を渡す。
「地球産の武器だと戦いにくいから、自分が武器を持ってきたよ」
テロスは春に魔導剣を、里実には魔導弓を渡す。
「これ、高いやつだよね、貰っていいの!?」
「地球の武器より頑丈で壊れないから助かるわ」
二人は喜ぶが、テロスは「地球産の武器を持ってきたのなら、自分はそれも使うべきだね」
二人は喜び、武器を背負った。
「最初はどこに行くべきかな?」
仲守春が皆に相談を持ち掛ける。里実とテロスは考え、近くのダンジョンに行くことになった。
「ダンジョンか、腕を試すなら持って来いだね!」
と地球産の武器を背負い、ダンジョンに向かう。
「先にダンジョンへ向かっても大丈夫なの? わたし心配」
里実は不安げになりつつも、狼のロウが励ましに足をすりすりして、里実は不安心を和ませる。
「みんながいれば、大丈夫よね」
「大丈夫ですよ。自分やロウも居ますから」
テロスはそう伝え、不安が消え去った。
「近くにダンジョンがありますから向かいましょう」
テロスの一言で駅から出てダンジョンに向かう。その距離は100メートル程度だった。
「本当にすぐそばにあるんだ、僕初めてだな」
ダンジョンの距離もさることながら、予想していたゲームのダンジョンよりも建築物らしく、そこに驚愕した。
「ここ、入るんだね。覚悟は……できている」
「わたしも、テオリアに来る前から覚悟はできているわ」
春達の覚悟と共に、ダンジョンに入る。
建築物のようなダンジョンは中が明るく、周囲が見やすくできていた。
そこに一匹の魔物が現れる。姿は二足歩行の人型に似ているが、地球とは違う力強さを感じていた。二人は一歩下がる。
「あいつはゴラマビル(ゴリラ)だね。パワー型だけど、二人なら行けるよ。自分は援護するから頑張って」
「ガウッ」
テロスとロウは援護のために下がる。
「ここは僕達でやるしかない! こいつを倒してマテリアルオーブを手に入れるぞ!」
「そうね、ダンジョンに入って即死なんてまっぴらごめんよ」
ダンジョン探索開始から、初めての戦闘が開始される。
春は剣を取り、里実は弓を構えた。
「行くぜ!」
春は柄を強く握り、ゴラマビルに突撃。同時に里実は弓の弦を引き、矢を放つ。
里実の放った矢はゴラマビルの顔面に直撃するも、傷一つ与えられない。
春の持つ剣はゴラマビルの胴体に切り傷を入れるはずが、逆に折れてしまった。
「――5万した剣が、折れた!?」
地球産の武器で五万は高い買い物である。それが簡単に折れたのだ。
「地球産で高いのに倒せないの!?」
ゴラマビルは腕を振り始め、反撃に回り、殴りかかる。二人は一歩下がり、拳の直撃を避け、テロスから貰った武器を取り出すと再び構えた。
春は魔導剣の柄を強く握り再び構える。里実は魔導弓の魔力弦を引き、魔力の矢を作り出す。
「なんだか懐かしいな」
「そうね、8年前にテロス君が来た時、遊びで使っていた感覚が蘇るわ」
二人は再びゴラマビルに挑む。
ゴラマビルは拳を握り、春に殴りかかる。その拳は空を突き、春の顔面に直撃する。はずだった。
「遅い!」
春は視点の中心から顔をずらし直撃を避けると同時に、構えた剣をゴラマビルの胴体に当て、肉を掻っ捌く。
「動かないならただの的よ!」
魔導弓の弦を離し、魔力の矢が一本放たれる。直線に進み疾風のごとく空を裂きながら直撃し、ゴラマビルを怯ませた。
「初めての実戦でここまで行くとはね。自分も援護をしようか」
テロスが魔導杖を構える。
「アル・ファイア・バレット!」
テロスの構えた杖の前に一つの魔力弾が現れ、燃え始めるとゴラマビルに向かって発射された。魔力弾を喰らったゴラマビルは燃え始め、じたばたと苦しみ、息絶える。
「初戦にしては上出来だね。昔、遊びながらの特訓が活かされたようで何よりだよ」
春と里実は深呼吸すると、テロスのほうに視線を向けて、笑顔を見せる。
「テロスのくれた武器が強かったおかげだよ」
「それもあるけど、昔教えてくれた武器の使い方が良かったおかげよ」
「それじゃあマテリアルオーブを抜き取ろうか。マテリアルオーブは心臓の部分にあるよ」
テロスの意見に賛成し、春はゴラマビルの心臓に刃を突き刺し、マテリアルオーブを探り出す。球体の何かを感じ、取り出すと、黄色に光るオーブを手に入れた。
「これ、確か地属性だよね」
「多分地属性ね」
「バウッ♪」
二人の解に正解を促すようにロウが優しく吠えた。
「正解。ダンジョン内部の魔物全てはマテリアルオーブを持つから、雑魚相手に倒していくのがもっとも楽な道だよ。今日は疲れてるだろうし、この後は近くの町のエルダムに行こうか」
「そうだね、僕は疲れたよ」
「わたしも、初めての戦いで疲れたわ」
春と里実は汗だくになり、疲れた様子を見せる。
「じゃあ決まりだね」
テロスの意見に賛成し、皆はエルダムに戻ることにした。
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