わし、猫(偽)だけど、今を楽しく生きてる
青銅正人
プロローグ 猫又、飼い猫になる
第1話 わし、帰ってきた
わし
「久し振りに、ばーさんの猫まんまを食べたいな。
兎がでてきたけど、猫まんまの方が食べたい気分だったので、見逃してやった。
「ばーさんの膝で寝るのも良いよな。背中
猪がでてきたので、ちょっと
「風呂の
ウキウキしながら、最後の峠を越えた。
目の前には、懐かしい我が家が……。
「お家が無いーー! それどころか村が無い。代わりに湖があるって、どう言うこと?」
周りを見回したら、湖の対岸右手側に見間違えようのない
東の方の湖岸に集落があることに気づいたので、気を取り直してそちらに情報収集に行くことにした。
集落には、見覚えのある
横の真新しい家から、千年屋の
「何これ。何これ……」
わしは怖くなって逃げ出した。
しばらく走って気がつくと、わしは鉄柵の扉があるお寺の前にいた。
「わしの知ってる『
ショックでふらふらと歩いていると、沢山の墓石が並んでいる真新しい墓地に出た。なんとは無しに墓石を見上げると、だいぶ前に死んだじーさんの名前があった。恐る恐る横を見ると、墓石にばーさんの名前が……。
「猫の方が先に死ぬんじゃなかったの? ばーさんを一人にしたくなかったから、わし修行して猫又になったのに……ごめんよ、結局一人にしちゃった……」
墓石の前にぽたぽたと、水滴が落ちた。猫は涙なんか流さない。墓地にだけ雨が降り出していた。わしの法力が漏れたらしい。
「ちぇー、猫まんま食べたかったのに……ちぇー、ばーさんと畑を見回ったり、
わしは一晩、墓石の前で過ごした後、
お家も無いし、ばーさんもいない、見覚えがあるのに見たことのないおかしな村。
もうここには帰らない。
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