第38話 魔族が?3[大東遺跡編]
ルビルナが
「安心しろ。人間、もし殺してしまったり、消し去ったとしても元に戻してやるから」と言ってきたので、安心した。いや、安心したというのは嘘だ。間違いなく、殺しにくるってことは、血が噴き出るほどの攻撃をしてくるだろうから、勘弁してくれと思った。
そうして、俺は、アイスバーン弾の草銃を撃った。ルビルナの動きが素早くほとんど避けられたが、アイスバーン弾が2発ほど命中した。そして、フラッドスピリットの効果で精霊を呼び出し、洪水のような水をルビルナに浴びせる。俺は初めて精霊を呼び寄せた気がする。魔法であり魔法でないのが、銃に魔法を込めることだが、精霊を呼び寄せたことはとても嬉しい。
俺の銃の扱いをなめちゃいけないなーと思いながら、燃焼効果と凍傷効果が効いているのを見ていた。少し苦しんでいるようだ。意外と効いてるぞ。
やはり、族長に魔法を伝授された時から、魔力が格段に上がってる。
「なかなかやるな。ではこれはどうだ。」
「ハイパーノヴァ!」
「インフェルノスパイク!」
ハイパーノヴァとともに、大きな爆発が起き、強烈な熱を帯びている。幸い避けることができたが、服が少し溶けてしまい、ちょっとセクシーな格好になってしまった。ハイパーノヴァが収まった後も熱がものすごく、遺跡内の温度が真夏のようになっている。
インフェルノスパイクで地面から高温の棘のようなものが無数に出てくるが、俺は忍者のように素早く走り、カンガルーのように数メートルも飛び上がる。このぐらいなら何とか避けられそうだ。そして、忍者とカンガルーのような気分になった俺は、攻撃を避けつつフロストバインド弾を撃つ。今度は3発命中した。
弾丸とともに氷の鎖が発射され、氷の鎖でルビルナの動きを制限する。多少は効いてるようだが、思ったほど効いてなく、少し動きが遅くなっただけだ。さすが、レベルの高い魔族である。さらに、フラッドスピリットの効果で洪水のような水を浴びせる。今度は、洪水のような水を長時間浴びせる。勢いがものすごく、これだけで人なら殺せそうなレベルだ。が、それほど効いていない。
「やるな。人間、私はワクワクしてるぞ。人間と戦ってわくわくしたのは久しぶりだ。もっと私を楽しませてくれ。」
「はい!」
「いや、この辺にしとこう。お前の強さは十分に分かった。」
いや、続きをやらないのかいと心の中で突っ込みを入れた。
「結果は‥‥」
「結果は?」
結果までの間が長く、クイズ番組をしているような気分になった。これがクイズ番組の緊張感なのか、なるほどと思った。
「正解です。いや、間違えた。合格です。」
「正解って言ってるやないかい!」
いかん、思わず突っ込んでしまった。殺されるのか‥‥、殺されるのかと思っていると、
「私も魔族の上の者には不満を持ってた。だから、君みたいな強くて、楽しく、アズルナが優しいと思うほど優しい人間となら一緒にいるのもいいじゃないか。でも、アズルナのように好きになったわけじゃないからな。しょうがなく、ついていってやるだけだからな。私はルビルナ、よろしく。わかってると思うが、アズルナの姉だ。」
「はい。お願いします。」
なるほど、ルビルナはツッコミもできて少しツンデレみたいなところがあるのか。これはこれで楽しい。
こうして、ルビルナも仲間になった。ちなみに、遺跡の中はルビルナの魔法によって未だに高温にさらされている。まだみんなは遺跡の奥に行きたそうだったが、ルビルナとの戦闘で疲れていたので、みんなにお願いして一旦家に帰ることにした。
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