第24話 デートをする1

 魔族が襲来した日から数日後、まだ夏で日差しが暑かった。セレナちゃんが家に来てから、まともにどこにも一緒に行ってなかったのだ。自分の銃の練習や魔法のことが頭がいっぱいで、セレナちゃんのことを考えてあげられていなかった。申し訳ないと思った。だから、俺は思い立ったようにセレナちゃんに「今日、出かけない?」と言ってみた。でも、セレナちゃんは「うん」と言ってくれなかった。「今日は…」と言われたのだ。いきなりは難しいだろうしと思いつつ、まだ俺たちそんなに仲良くなかったのかなとか考えたりもして、もやもやしたまま次の日を迎えた。


そして次の日の朝を迎えると、セレナちゃんが「昨日はごめんね。急にだったから、びっくりしちゃって」と言ってきたので、俺は「僕も急にごめんね」と言った。そうして、出かけることをOKしてくれたのだ。あの可愛いセレナちゃんと二人で出かけられるっ!! 気分が高揚した。そういえば、昨日は姉と一緒に出かけてたな…。いったいどこに行ってたのだろう? 気になったので、聞いてみることにした。


「セレナちゃん、昨日はどこに出かけてたの?」

「知りたい? 秘密だよ~」

「え~、教えてよ。」

「また時が来たらね!」

「わかった!」


こうして、俺とセレナちゃんは出かけることになった。


セレナちゃんと二人きりになるのは、魔法の特訓と最初に森で出会った時くらいだったと思うので、すごい緊張した。でも、姉やいろんな人にお勧めのデートスポットを聞いてるので、そこは安心できた。


セレナちゃんはいつも見慣れた学校に通う服装ではなく、麦わら帽子に真っ白ではなく少し花の模様がついた白のワンピースだった。金髪に白い肌で、ほんとに天使のようだった。


まずは、錬金術のお店にポーションづくり体験に行くことにした。


「まずはポーションづくり体験に行こう!」

「え? すごい楽しそうだね! すごいわくわくするね!」

「僕もわくわくするよ! ポーション作りは初めてだからね。」

「私もヴェスといけるの楽しみ! ポーション作りとヴェスとおでかけでダブルでわくわくだね!」

「いや、セレナちゃん、厳密にはこうだよ。これからお出かけするところの分も含めてダブルでわくわくだから、いっぱいダブルでわくわくだよ!」

「なにそれー、変なヴェス!」


と笑いながら話してると、錬金術のお店に着いた。


しかし、ポーション作りには大きく2種類あるらしい。材料を集めるところからのコースと、材料が揃った状態で作るところからのコースだ。どっちにしようか迷ったが、少しでもセレナちゃんと二人きりの時間を長くしたいので、材料が揃った状態から作るコースにすることにした。



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