魔法が絶対的な世界で銃で戦います。~生まれつき魔法が使えないでも、銃もあるなら銃で最強になればいいじゃないか~
犬山犬海
第1話 ロリババア女神様
その出来事は突然だった。俺はバイトの帰り道で、今日は帰ったらどのゲームをしようかと考えていた。
パン屋でのバイトを終え、空腹を感じていた俺は急いで家に帰ろうとしたその時、車に轢かれたらしい。轢かれる直前、一瞬、時が止まったように感じた。
事故の直前に時間が止まったように感じるという話はよく聞いていたが、これがそうなのか。なるほど。確かに一瞬、時が止まったと思った。
そして次に気づいた時には、俺は地面に倒れていて、血まみれになっているのが分かった。このまま死ぬのだろうか。父親、母親、妹は俺が死んだら悲しんでくれるだろうか。両親にもっと感謝の言葉を伝えておけばよかった。
何より、外付けHDDに暗号化をかけておけばよかった。俺の趣味や嗜好が親族にバレてしまう…。
でも、死んでしまったらそんなことも考えられなくなるだろうから、どうでもいいか…。
色々と後悔はあるけれど、一番は親孝行できなかったことだ。異世界転生ものみたいに転生できるなら、次の人生では親孝行できるかな。いや、親孝行したいな。そんなことを思いながら目を閉じた。
目を開けると、そこには古代中国の王族のような服装をまとった女性が立っていた。しかし、どう見ても幼い。小学生くらいにしか見えない。そんなことを考えていると、彼女が口を開いた。
「私は女神じゃ。お主は死んだのじゃ。引きこもってばかりの人生だったから、もう一度人生をやり直したいと思っておるようじゃな。どうじゃ? わしのお願いを聞いてくれるなら、今の頭脳のままで『強くてニューゲーム』をさせてやるぞ。どうだ、聞いてくれるか?」
目の前の小学生のような貴族がそんなことを言っているが、にわかには信じがたい。
でも確かに、車に轢かれて血を流して倒れたのだから、死んでいるのだろう。もしかしてまだ生きていて、これは夢なのか? とりあえず話を聞いてみることにした。
「おい、聞いておるのかお主。女神がせっかくチャンスを与えてやっとるんじゃぞ!」
「分かりました。女神様の言葉を信じましょう。」
「で、お願いを聞いてくれるのか?」
「どのようなお願いでしょうか?」
「お主が転生する世界では、お主が生まれて少し経つと魔王が現れる。その魔王を倒してほしい。」
「魔王ですか。俺にそんなものが倒せるのでしょうか?」
「大丈夫じゃ。それ相応の能力は生まれる時に与えておく。」
「分かりました。今の頭のままもう一度人生を謳歌したいですし、よろしくお願いします。」
「よく小説とかであるような、スキルを自分で選んだりはできるのでしょうか?」
「スキルはこちらで決める!」
「選ばせてくれないんですか!?」
「文句を言うでない。できるだけ魔王を倒せるようなスキルをつけてやるから我慢せい。」
「分かりました。じゃあ、イケメンな見た目で女の子にモテる感じでお願いします。」
「わしみたいな年上にわがままを言うでない!」
そうか…年下じゃないのか…。つまり、ロリババア女神様か…。
「ダメですか?」
「もう一度人生をやり直せるんじゃから、それだけでもありがたいと思え。」
「分かりました…。」
「でも、ちゃんと魔王は倒すんじゃぞ。」
「分かりました。」
「あと、お主の姉ちゃんはブラコンじゃが、好きになってはならんぞ。」
「さあ、目を閉じるのじゃ。」
女神にそう言われ、俺は目を閉じた。
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2話からは、22時5分から毎日更新します。31話まで書きだめてるので、しばらく毎日更新です。
1月中旬に小説書き始めたばかりなので、お手柔らかにお願いします。
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