第6話 戦場では日常茶飯事です。
馨は、ゴブリンたちにもとの部屋へと押し戻された。
―分断された―
この行動から見ても、ゴブリンたちには意思がある。意思を持って、人間を殺しに来ている。
馨は焦りつつも、目の前のゴブリンの頭にMP5の銃口を当て、引き金を引く。
すると、別のゴブリンがタックルをかけてきた。
そのゴブリンに向かって、MP5の引き金を引くと、今度は背後から別のゴブリンが。
対応しきれず、背中から押された。
体勢を崩したところにまた別のゴブリンが頭上から手斧を振り上げ襲いかかってきた。
MP5を盾にして受ける。
セレクタースイッチらしきパーツが吹き飛んだのご見えた。
二度、三度と受けていくうちに機関部がひしゃげていく。
「くそっ! こんなところで!」
―藤堂さんを助けないと―
警察の精鋭、SATの隊員としての行動を取らないといけない。
だから、助けないといけない。
そんな、馨の想いを嘲笑うかのように、ゴブリンたちは襲いかかってくる。
転ばされた。
眼鏡が飛んだ。
数体のゴブリンがのしかかり、床に押しつけられる。
右手を踏まれ、痛みでMP5を手放してしまう。
背中に一体。
両手に一体ずつ、ゴブリンがのしかかっていた。
動けない。
小柄な身体とは言え、三体にのしかかられると、それは決して軽くはない。
「はなせっ!」
叫んだと同時に、背中のゴブリンが後頭部を掴んだ。
そのまま、馨の顔を床に叩きつけた。
「がっ!」
何度も繰り返された。
「くっ……」
意識が遠のく。
額からも、鼻からも血が垂れている。
抵抗していた四肢から力が抜ける。
―もう……―
意識を失いかけた瞬間、下半身を覆うショーツに手をかけられた。
馨は思い出した。
自分が女だという事実に。
そして、ゴブリンたちが、逸物をイキり立てて襲ってきていたという事実に。
敗北とは死ではない。
嬲られて、人の尊厳を奪われるということ。
「や、やめ……」
声を出した瞬間、もう一度床に叩きつけられた。
気力が霧散していく。
ショーツが剥ぎ取られ、尻を大きく持ち上げられていくのを感じた。
ゴブリンたちの薄汚い笑いが木霊していた。
そして、先の部屋では、ホブゴブリンは動かなくなった源一郎を羽交い絞めにしていた。
そのまま、ショーツに手をかけた。
ホブゴブリンの本能が、源一郎を自分のトロフィーにすることを求めていた。
自分のモノで源一郎を貫くこと。
穴を求めて、ホブゴブリンは源一郎の下半身を弄っていた。
力はあっても、細かな行為か苦手なのか、ショーツを引き裂いた。
そして、恥毛に覆われた双丘の合間に指を突っ込む。
「な、何しやが……」
ホブゴブリンは、源一郎に頭突きを入れる。
そして黙らせ、身体を離す。
そして床に放り出すと、両手で足を掴み開かせる。
ホブゴブリンのヌラヌラと光る逸物がそびえ返っている。
腰を引いて、源一郎の股間に逸物を当てる。
そして、一気に挿入した。
「!」
激痛で源一郎の意識が戻る。
そして、何が起きているかを把握した。
バケモノに犯されている自分。
尊厳も何もかも失われた絶望。
だが、源一郎はそれを怒りに転換した。
くらくらと思考のまとまらない頭の中で、その怒りは目の前のホブゴブリンの顔に向けられた。
フリーになった右の拳で、ホブゴブリンの目を殴った。
そして、親指を突き入れた。
「がふっ」
掴んでいた足を離し、顔を押さえる。
源一郎は身体を引きはがす。
鮮血にまみれたゴブリンの逸物が抜けた。
傷みに耐えつつ、もう片方の目も殴る。
取り巻きのゴブリンたちが飛びかかってきた。
飛びかかられる前に、一歩前へ出て、先頭のゴブリンに右拳を叩き込む。
そして、逆方向から来るゴブリンの腹には左足を叩き込む。
それぞれ吹き飛ばしながら、周囲を探る。
そして、ボブゴブリンが腹から引き抜いた日本刀、三河守国重を見つけた。
残る一体のゴブリンが手斧を振り上げ襲ってくるのを躱しながら、日本刀に手を伸ばした。
吸い付くように柄が手に吸い込まれた。
くるりと回り、ゴブリンの首が飛んだ。
ボブゴブリンが、顔を押さえながら、立ち上がっていた。
右手には両刃の剣。
それを正面へと突き出してきた。
「なめんじゃねえぞ! ドサンピン」
それを躱しながら、日本刀を振り下ろす。
剣とそれを握る手が、腕ごと落ちた。
そのまま、刃を返し振り上げた。
顔を押さえていた、もう片方の手にも斬りつける。
今度は手が落ちこそしないが、大きな血飛沫が上がる。
そして、源一郎とホブゴブリンの目が合った。
「ずいぶんと、俺で楽しんだろ」
源一郎は笑ってみせた。
そして、その笑みにホブゴブリンが怯えたような表情を見せた。
「怯えるんだな、お前も」
もう一度笑ってみせた。
ホブゴブリンがひきつったような笑みを見せる。
「そうか、そうか。お前、わかるんだな」
源一郎は、幻視した。
かつて、阿修羅会に対して舐めた態度を取ったヤツら。
今と同じように日本刀を前にした時のひきつったような笑み。
そして、死ぬ直前は、みんなこんな表情をしていた。
「あばよ」
横薙ぎに一閃した日本刀は、ホブゴブリンの首を落とした。
ごとん、と首が床に転がった。
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