妖精のおしおき
広之新
プロローグ
そこは貸しレッスン場だった。私の先には長机があり、3人の男が椅子に座っている。そして私の横や後ろには若い女性が並んで座って順番を待っている。ここはオーディション会場なのだ。先ほどから一人ずつ、自己紹介をしてオリジナルダンスを披露している。
私はいつになく緊張していた。こんな状況に今まで出くわしたことがない。心臓がバクバクして周囲で起こっていることがまるで頭に入らない。
「次! 5番! 東堂純さん!」
私の偽名が呼ばれた。審査員にアピールしなければならない。
(特訓した通りにすればいい・・・)
そう心に念じながら私は立ち上がった。まずは大きく手を回してポーズをつける。そして明るく大きな声でかわいらしく声を出した。
「暗い世界にもっと光を! 妖精の力で明るくします! ジュンジュンです!」
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