愚者転生
@mimuyamu0222
1.誕生
意識が遠くなっていく中自分の中で生まれたのは後悔でもなく、苦しみでもなかった。
ただ一つ無謀だった。
「まぶしいな」
目を開けると、そう思った。
どこからか赤子の泣く声が聞こえる、「赤子」それは自分には今まで気にしたこともないようなことだった
可愛いとも思ったことはなかった、何時いつまでたっても目がぼやけて目の前の人の輪郭しか見えない。
フォールとしきりに聞こえる、だが霞がかかったように聞きにくい・・・
頬に水が伝った、生暖い水が頬に数的ぽたぽたと落ちてきている
ふと顔を拭ぬぐおうと自分の手を上げようとして気づいた、自分が小さいことに。
さっきの赤子の声が自分の口から出ているものだと・・
「だーあー」
喋れない・・当然か
0歳児が喋れるはずもなかった、目も輪郭をとらえる程度でぼやけて見えない。
だが声だけはしっかりと聞こえる、日本人にはわからない言語だ。
フォールとしきりに呼ばれているので、名前なのだろう・・・そういうことにした。
そこから1か月が過ぎ依然いぜん言語は全くもってわからないが、名前はフォールということが分かった。
母のサンと父のケンの元に生まれたことも分かった、目は20㎝くらい先までは見えるがそれ以上は
まだぼんやりとしか見えない、首もそこまですわっていないので力があまり入らない感じだ。
そこからさらに3か月、首がすわり少し動けるようになってきた、目も見えるようになり
自分の母親と父親の見た目がすごく美男美女だったのにはものすごく驚いた。
「流石異世界転生だな・・特典の1つか?」
心の中の期待が高まった、この先の人生を待っている未来に
そこからさらに4か月やっとハイハイを習得し、動き回れるようになり家を見て回った
どうやら自分の家は兵士の家系ということも分かった、兵士としての階級は別に高くはない。
言葉に関して、すぐにわかるものでもなく日本人であることが枷かせとなっているのか、
かなり習得が遅くいまだ単語が少しわかる程度だった。
そして生まれてから1年が過ぎ、ある程度この世界の事が分かり始めた
単語を理解するのにいまだ時間がかかっているので、言葉は完璧にはわからないが
ここの世界はアルトフォームというらしい。
その世界の一つの国
宗教国家 レイフォン
その、チャリオット子爵領の町ハルトレイ、という場所らしい、そこの一般兵士が父ケンなんだと。
魔法とかあるのかはわからない、いやあるだろう。
この世界の火や水は、キラキラと赤や水色に光る石から出ている。
文化レベルは多分中世くらいなのか・・
なにか違和感を感じたが
転生した事に対しての期待が、その違和感を打ち消してしまった。
そして、まずは言語の習得を先にしようと心に決めた。
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