翔は私が碧人様に恋していることも知っているので、この前碧人様と雪様との会話を聞いてしまったことも話していた唯一の人だった。

「俺は碧人様はさつきちゃんのこと好きじゃないと思うけどな。むしろお前のことが好きだと思っていた。」そんなことを言っていたので、

あまり恋心を分かっていない気がするけど…

ただ適当に誤魔化せられる相手ではなかったので、「やっぱり碧人様はさつき様のことが好きみたい。分かっていたのに悲しくなってしまって」と伝えた。

「そっか…。誰にも見えないようにするから、泣いていいぞ」

私の顔を翔の胸に置いてくれ、

周りから見えないようにしてくれた。

「ありがとう」

甘えて翔の胸で泣こうとしたとき、グッと逆の方向に引っ張られた。

驚いてその方向に顔を向けると、

息を切らした碧人様がいた。

どうやら走って追いかけてきてくれたようだった。

「何してるの？」

碧人様はそう言って私の手を握ってきた、

「君と話がしたいんだけど」

どうしようー私が悩んでいると、

「今は難しいかもしれないな」と翔が代わりに答えてくれた。

「君は関係ないよね」

先ほどよりも不機嫌そうな碧人様の声と、今までにない口調だったので驚くと、

翔はニヤニヤしながら、

「俺たちは幼なじみだから関係あるんだよ」と言っていた。

なんでニヤニヤしてるんだろうと良く分からなかったが、碧人様を見るすごくイライラしているようだった。

いきなり抱きつかれて逃げられて、

意味が分からないよね、、、

私は翔に「本当に大丈夫だから」と伝え、碧人様に連れられていかれた。

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