第11話 心との出会い⑤
せなん回想
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僕には、小学校1年の時から仲良くしている友達がいた。
学年が上がるにつれて、その友達には心の全てをさらけ出してもいいと思うようになった。
僕は元々警戒心が強かったけど、小学校4年生の時には、友達は僕について知らないことはないくらいに詳しくなった。
小学校5年生になって、初めて喧嘩した。ささいなことだった。僕はすぐに謝ろうとした。どちらもに悪いところがあったから、相手も謝ってくれると思っていた。
でも、友達は違った。
僕がその友達にだけ言っていたあらゆる秘密を、ほかの友達に言って回った。
他の人は噂が大好きだったみたいで、巡り巡って僕本人に言ってくる人もいた。
「せなん君◯◯のことどう思ってんのー笑」
「せなん、聞いたぞ。お前◯◯なんだってな。正直、俺はそういうの無理だから」
気持ちが悪かった。友達は、僕のことをみんなに話すことで僕に復讐していた。
後で友達が謝ってきた。秘密の暴露の事ではなく、喧嘩のことで。
僕は許せなかった。絶交だ。その一言で、友達とは関わらなくなった。
後で気づいたことは、僕はその友達の事を何ひとつ知らないってことだ。好きな漫画も、嫌いな人も、全て話したのは僕だけだった。
僕はひとりぼっちになった。別にどうでもよかった。家に帰れば、その時いちばん大切だった父がいる。家は落ち着いた空間だった。
小学校6年生になった。まだ1学期が始まってすぐの頃。
僕はアーツクになった。心のアーツクだった。他の人の心が読めるようになった。でも誰にも言わなかった。1ヶ月ほどたって、僕は学校いいくのをやめた。
おそらく、後行のアーツクは父だ。僕は父にアーツのことを話そうと思った。
父がその時電話をしていたので、隣の部屋で待っていた。
父「うちの息子さ、色んなこと暴露してるらしいんだ」
!?
なぜ父がそんなことを言うのか分からなかった。僕じゃない。僕は被害者だ!
父「そうそう。うちでも色んなこと言ってるんだ。あいつがどーじゃとか絶交しただ………」
僕は逃げるように部屋から出た。頭が痛かった。悪夢を見たのかと思った。父にだけは学校であったことを言っていた。それは父が大切な人だったからだ。
僕は決心した。
僕は誰にも心を開かない。
こうなったのは僕のせいだ。僕が心を開いたからこうなったんだ。
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せなん「ということがあったんです」
かな「酷い。後行のアーツクにすらそんなこと言われるなんて。それで、なんで死にたいと思ったの?」
せなん「孤独だったからですよ。夜に泣いていたのは孤独が怖かったからです。ひとりでいるのは、初めは別にいいと思っていたけど、誰にも何も言えないのは苦しくて……」
かな「苦しかったよね。誰に言われた訳でもないのに、自分から孤独を選ばなきゃいけないなんて」
せなん「……ちょっと前に、自分の心を覗いて見たんです。僕はアーツをそんなに使わなかったから、暇つぶしにと思って。そしたら、真っ黒だったんです」
かな「それって……」
せなん「はい。心が汚いのは僕だったんです。絶望しました。僕には何も残ってはいないんだと思いました」
かな「違うよ。それは心を閉ざした人の心の扉だよ。せなん君は、扉の奥を見たの?」
せなん「……いいえ。かなさん、僕は明日も孤独ですか?」
かな「……」
その時、私には正しい答えが分からなかった。心のアーツクの前で、とりあえずの答えは言えない。
私がいるから孤独じゃない。そう言おうとした。でもそれじゃあ、私がいつかいなくなった時時、彼は孤独になってしまう。
私は、閉じた心の扉を開けられるだろうか?すごく不安になってきた……。
あとがき
やっぱりせなん君小6じゃないですよ。賢すぎる。次のお話、泣くのでハンカチを準備してください。泣かなくても涙を拭ってください。
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