心寂の物語〜不思議な力で人を生かす女の子の話〜

まっち

第1話 アーツとの出会い

あなたには、悩んでいることがありますか?

あなたは、死にたいと思ったことがありますか?または、そう思っている人に出会ったことがありますか?


_____________________


私、中学校2年生の一般女子、綾下 花七。(あやした かな)いつも自転車で学校まで行って、勉強して、部活しての日常です。


ただね、今日はちょっと違った。


帰る時間になって、私はいつも親友の奈波田 岬(なわた さき)と一緒に帰るんだけど、途中ちょっとした広場みたいな所に寄って行こって言われたんだよね。私たちが道草食うことなんてよくあるから、私はすぐ「いいよ」って言ったの。


広場でなんか話でもするのかなって思って、自転車にまたいだままでいると、さきは自転車から降りて広場の中央に歩いていった。何するんだろう?


さき「かなー!こっち来てよ!」


かな「うん、今行く。」


とりあえず言われるがままに歩いていくと、さきは「見ててね」と言って一歩下がった。


そこでさきは、私たちの言う″魔法″を使った。


さきが右手を地面にかざすように挙げて、私にウインクした。見とけよってことか…。


さきの手が少し動いた。それと同時に、どこからか花びらが風に吹かれてやってきて、さきの周りを美しく、うねりながらわまり出した。私の髪の毛はゆれていないけど、風に吹かれているような気がした。


花びらはさきの周りを何周かまわったあと、空高く、雲の隙間まで飛んでいった。1枚だけ、空に届かず、ひらりひらりと落ちてきた花びらがあった。その花びらが私の目の前に来たので思わず手のひらでキャッチした。その花びらには文字が刻まれていた。…読めない。しかもこの花びら、何だか重い感じがする。


不思議なこの花びらを見ていると、溶けるように消えてしまった。


夢を見たのだろうか…?さきの方を見ると、さきの足もとに知らない花が咲いていた。さきは太陽をじっと見つめている。


私はさきにむかって、


「何これ、魔法!?なんで!?すごく綺麗だった!いいなー。羨ましいっ」


と興奮気味に言った。でも、さきは落ち着いた様子だった。


さき「魔法じゃないのよ」


かな「えっ?」


さき「アーツ」


かな「あーつ??」


初めて聞く言葉に、私は首を傾げることしかできなかった。


〜あとがき〜

おとなしくて、優しい性格の持ち主であるかなちゃんと、元気で明るい性格の持ち主であるさきちゃんは、小学校からの仲です。さて、アーツとは何でしょうか?


補足

2話から7話までぶっ飛ばし用が6話と7話の間にありますので、早く本編に入りたい人はどうぞ。

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