死後にチート空間で数千年過ごしたら最強になったので、記憶を消されて現実に戻ったけど、影で世界を支配することにした
katura
目覚め
目が覚めると、そこは白い無限の空間だった。
視界を覆うのは、何の特徴もない純白の世界。地平線すら見えない。床も、壁も、天井もない。ただ、どこまでも続く白一色の空間が広がっている。
「……ここは?」
声を発したが、響きもしない。代わりに、自分の脳内へ直接反響するような感覚があった。
『ここは、君の心象世界だ』
頭の中に、唐突に声が響いた。
『君は死んだ。だが、完全に死んだわけではない。ここは、あの世とこの世の狭間にある空間だ』
死んだ?
その言葉に、全身が凍りついた。死んだという自覚はなかった。思い返そうとするが、何も思い出せない。ただ、目が覚めたらこの真っ白な空間にいた。
『安心しろ。ここでは、君は自由だ。何でも生み出せる』
何でも、生み出せる?
試しに、「椅子」と考えてみた。すると、目の前にふっと、一脚の木製の椅子が現れる。
「……まじか」
慎重に触れてみる。手のひらに感じる木の質感、座面の冷たさ。幻覚ではない。本物のようにそこに存在している。
『この空間では、思考が現実となる。君が望めば、どんなものでも創造できる』
ならば、と、さらに試す。思い浮かべたのは、自分の部屋。机、ベッド、本棚、窓の外の景色。全てをイメージすると、次の瞬間、世界が一変した。
そこは、間違いなく自分の部屋だった。
「……これは……」
スマホを手に取る。ロックを解除し、ニュースアプリを開く。現在の時刻と日付が表示され、最新ニュースが流れている。窓の外を覗けば、見慣れた街並みが広がっていた。
完璧なまでに現実と同じ世界。
『ここはお前が作り出したものだ。だが、現実世界と変わらぬ精度で再現できる』
それならば、と更に試してみる。ハンバーガーとコーラを思い描く。目の前に現れたそれを手に取り、一口かじる。肉のジューシーさ、パンのふわりとした食感、炭酸の刺激まで、全てが本物と変わらない。
「……すげぇ」
ここでは何でも手に入る。食事、住居、娯楽、ありとあらゆるものを作り出せる。そして、それらは現実と寸分違わぬ精度で存在する。
『この空間に留まることもできる。君はここで、永遠に生きることができる』
永遠に……。
その言葉を噛み締めながら、俺は改めて周囲を見回した。
白い無限の空間が、今は完璧な「現実」となっている。
「……もし、これが本当に無限の世界なら、俺はどこまで行けるんだ?」
そんな問いが、ふと浮かんだ。
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