第36話 現状確認

 本当にやっかいだ。

 なんなんだあの女は。

 頭がおかしくなったヤバい奴としか思えない。

 ふつふつと怒りが湧いてきた。


 あの姿は異常でしかない。

 いつか見たゾンビ映画を思い出す。

 山奥に逃げようとしたが手遅れだった、という流れだろうか。

 いや、僕の写真や資料を持っていた。

 この襲撃はあの女の意思だ。


 こうして待っていると、くだらないことを考えてしまう。


 現状を分析しよう。

 あの女は谷底にいるかもしれないが、あくまでも可能性でしかない。

 あの女はハンマーを持っているが、使い慣れてはいないようだった。

 服は上下黒のジャージで防御力は高くなさそうだった。


 こちらの武器は使い慣れたナタと投げやすい石。石は周りにもいっぱいある。

 服はボロボロの長袖のTシャツ、無理矢理ベルトで腰回りを合わせたブカブカのジーンズ、穴だらけの靴下と安全靴。

 殴られた右肩は痛むが動かすのに支障はない。


 僕はこの山を知り尽くしている。あの女は知らない。

 僕は少し寝て食べて体力を回復した。

 筋力も僕のほうがあるだろう。



 よし、有利であることは確かだ。

 考えておく必要があることは2つ。

 1つは、あの女が銃やナイフを隠し持っているかもしれないこと。

 もう1つは、あの女が森に隠れてこちらを見ているかもしれないことだ。

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