第15話 故郷
半年後、久しぶりに故郷に戻ってきた。
昔働いてたコンビニのあった場所は塾になっていた。
昔住んでいたアパートはそのままだったが、僕の住んでた部屋は埋まっていた。
なんとなく僕を育ててくれた施設に足を向けた。
建物は建て替えられて綺麗になっていた。ほぼ新築だ。
僕のお金は綺麗なものではないけれど、綺麗なことに使ってくれているなら安心できる。
少し嬉しくなって挨拶をしよう玄関に上がると、焼けた肌の力強そうな議員のポスターがデカデカと貼られていた。そのポスターの下には子供たちからお礼の言葉が書かれた紙が複数枚張られていた。
それを見た僕は玄関から走って逃げた。
僕の居場所はこの街にも無い。
いいことだと思ってお金を送っていたが、あんなの必要なかったんだ。
僕でも知っているような大物議員があの施設を支援していた。
その額は僕と比べるまでもなく大きなものだろう。
ああ、クソだ。全部クソだ。
僕のしてきた小さな偽善は本当に偽善だった。
帰ってこなけりゃ良かった。
もう俺の人生意味ねぇよ。
意味なかったよ。
健太、俺は幸せになんてなれねぇよ。
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