第44話
「わあ、赤ちゃんのベットだぁ。」
一階に降りてきたお父さんに陸が走って向かおうとする。
私はとっさに陸の動きを止めようと陸のズボンによじ登った。
「わ、みいちゃん、こんなこともできるの??」
「みゃああ」
「陸、ベビーベット重たいから少し離れててな。足とか挟まったら危ないから」
「はーい。」
陸は楽しそうにベビーベットを見つめた。
「おばあちゃん、どこに置きますか?」
「このあたりにお願いします。」
「はーい。」
お父さんはベビーベットをなんとか置いてふうっと一息ついた。
「幸田さん、今日は早めに夕飯するから食べていかない?休憩時間のお弁当と同じおかずにはなっちゃうけど、陸ちゃんもまだお父さんといたいでしょうし。」
「やったー!お父さんも一緒にご飯食べよう!」
「陸…。おばあちゃんありがとうございます、ご一緒させていただいていいですか?」
「ふふ、もちろんよ。ここに座っててね。」
そういっておばあちゃんは机を拭くために布巾を持っていくと、陸が
「おばあちゃん、布巾ちょうだいっ」
とお父さんにいいところを見せようと目を輝かせて机を拭き始めた。
「ふふふ、陸ちゃん毎日ありがとうね。」
おばあちゃんもお父さんも嬉しそうにその姿を見守った。
机を拭き終わったとき、お父さんは立ち上がろうとしながら、
「おばあちゃん、僕も何か出来ることがあれば。」
というと
「ふふふ、いつも陸ちゃんがたくさん手伝ってくれてるのよ。陸ちゃんのこと見守ってあげてちょうだい。」
とおばあちゃんに言われお父さんは、いいのかなと思いながら座りなおした。
動きたそうにしながら、陸を見守るお父さんの姿に変わらないなあ。と人間だった頃を思いだしながらその膝の上にそっと座った。
「おお、みいちゃん、僕の膝に乗ってくれるのかい?」
少し気持ちが落ち着いたのかお父さんは私を見てデレっとした顔をした後、陸を見守り始めた。
ふふふ、癒されるでしょう?
この人の近くにいるの久しぶりだわ。
そんなことを思いながら一緒に陸を見守った。
陸はいつも通り、箸置きとお箸、コップやおかずの入ったお皿など運べるものをたくさん運ぶ。
「おお、これが陸の言ってた可愛い箸置きかぁ。」
「うん、いっぱい可愛いのがあるんだよ。毎日選ぶの楽しいの」
「そっかそっか。これは可愛いなあ。」
「でしょー?」
「昨日陸の作った箸置きも早く乾くといいな。」
お父さんはこっそり話した。
陸は大きな声で「うん!」といっておばあちゃんのもとに戻った。
「みいちゃん、ご飯だよー。」
私はその一言に陸のもとに駆け寄った。
今日もありがとう、とおばあちゃんに「みゃああ」と一声かけてふにゃふにゃいいながら食べ始めた。
陸は微笑んだ後お父さんの横にちょこんと座った。
「さあ、おまたせ。」
といってお味噌汁を机に運びおばあちゃんも座った。
陸は嬉しそうに「せーの」と言ってみんなでいただきます。をした。
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