第35話



陸とお父さんはまた準備をしておばあちゃんの家に向かった。


「陸、おばあちゃんに旅行の話はまだ内緒だぞ?」


「え、どうして?」


「まだいつ行くかも決まってないだろ?お父さんも当分は休みが取れないから、ある程度決まってからにしよう。」


「わかったよ。」




ピンポーン

「おばあちゃーん」


「陸ちゃん、おかえり」


陸は一瞬照れくさそうに嬉しい表情をした。

「ただいまあ」


「おばあちゃんこんにちは。すみませんが陸の事よろしくお願いします。昨日はメッセージもありがとうございました。結局僕から陸と話し合おうと思ってたのになかなか話を切り出せずにいたら、察してくれたのか帰りに陸から話してくれて…」


「もうすみませんとか言うの辞めましょう、申し出たことだから、それに生活費も頂いてるでしょう?気にせず預けてちょうだい。」


「ありがとうございます」


「陸ちゃんもきっとお父さんと早苗さんのこと話したかったんでしょうね。」


「ありがとうございます。本当に久しぶりに親子として機能したような気がしています。 」


陸はみぃちゃんを抱っこしながらお父さんのいる玄関にトタトタと戻ってきた。

「パパー、今日もお仕事頑張ってね、」



「おいおい、ちょっとは寂しがってくれよ〜」

ふふふ、私もおばあちゃんもいるから安心して仕事頑張ってきてね。

私も一緒になってみゃーと鳴いた。


「えへへ、おばあちゃんもみぃちゃんもいるから僕は大丈夫だよ。」

元気そうに話す陸。


「ははは、お父さんが寂しくなるよ」

そういうと陸はみぃちゃんを抱っこしながらお父さんにギュッとした。


「これで寂しくない?」


「まぁまぁ、ふふふ。」


「ああ、元気を貰えたよ。じゃあ陸、おばあちゃんの言うこと、きちんと聞くんだよ。」


「はーい!行ってらっしゃい。」


「気をつけてね」



「行ってきます。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る