第17話 オーガとの戦闘

遭難生活30日目

未だガチャは当たらない。

今ではすっかり森への暮らしに慣れた。

「隠匿Lv.4」、「気配感知Lv.4」、「ウサギ耳Lv.4」を常時発動している。消費魔力は誤差の範囲な為問題は無い。

食事や水分補給は以前と変わらず竹と木の実に頼っている。これのおかげで「毒耐性Lv.9」「麻痺体制Lv.6」に上がった。


ずっと同じ方向に進んでいるが景色に変化は無い。

一応遭難生活10日目で「アイテムボックス」に入っている双子石を壊し自分が死んでいないことを伝えた。

正直伝えられたのか分からないが、知るすべは無い。今は、気にしないでおこう。

最近は隠れてばかりじゃいられないので自分を強化するべく積極的に戦っている。


ゴブリンに「魔手」を使わず戦ったり…

これは成功して5時間かけて戦い見事勝利した。

あんときはうれしかったなー。


寝ている大蛇を奇襲したり…

ばれていたらしく返り討ちに遭い左腕を失った。

「回復Lv.8」をかけまくりなんとか回復したがやばかった。


オーガとの戦闘で疲労している熊を背後から奇襲したり…

途中まではうまくいっていたが、熊が火を吐くとは思わなかった。

予備の服まで焼かれて今では蛮族スタイルである。


二日見た見たやつより弱いオークと戦ったり…

二日目のオークは特殊個体だろう。たしか授業ではユニーク個体とか言っていた。

この森はゴブリンでさえ異常な強さをしているため、ユニークオークとかもはやバグだろう。

ともあれ、弱いオークには「魔手」による一撃必殺でなんとか勝利した。


このほかにもたくさんの殺し合いをしてきた。

まぁ、ほとんど負け試合だったが…

だがそのおかげで以前よりはるかに強くなった。

領都でも稽古をしていたが所詮稽古だ。あまり身が入っていなかったのだろう。

このように殺し殺されの環境に入るとそんなことは言っていられないのである。


僕は次の勝負相手のオーガを探す。

あのとき追い回された屈辱は忘れていない。次こそはリベンジする。そんな気合いを胸に探すのであった。

夜、それは生物が休む時間。寝て明日に備える。それが夜である。

だが、この森では違う。夜に活発に動くモンスターや、寝ているところを奇襲したり、逆に返り討ちにするモンスターなど阿鼻叫喚である。

まぁ、僕もそのうちの一人であるがな。

今回狙うオーガは人型であり、人型の魔物は夜は寝る。そこを奇襲してやろうというのが作戦である。


「気配感知Lv.4」がオーガの気配を捉えると、僕はすぐに向かう。さいわい、周りには動いている気配がないため狙いやすい。

寝ているオーガの木の上までいき、ある物を出現させる。

(「魔槍」召喚!)

以前から「魔手」同様、手から出した魔力を槍に変えようとしていた。

遭難してから夜試行錯誤しており、ようやく完成したのである。この森にいる魔物のほとんどは自分の肉体を武器に戦っている。僕だって拳を鍛えるため、木や石に打ち付け強くしていたが正直付け焼き刃である。

そんなときにできたのがこの槍である。消費魔力は大きいが武器は武器。リーチ差を縮めるし、特に切れ味が凄い。


僕は槍を突くため勢いを付けて木から落ちる。槍がオーガの頭に当たる瞬間、奴は気付いたらしい。とっさに避けようとするが肩を槍がかすめそのまま腕を切り落とす。

最初の奇襲は失敗したがこれなら問題ない。腕を失うと攻撃の手数が減るし、重心がぶれる、そして何より痛いというのは身をもって知っている。

追撃しようとするがすぐにオーガは僕の方を睨むように見て、戦闘態勢に入る。

だが、僕は構わず追撃をする。オーガも攻撃をしようとするが攻めあぐねているみたいだ。

特にこの両手に持つ槍を警戒している。

攻撃する僕に逃げるオーガ。以前と逆の関係に僕はこんなにも強くなったのかとうれしくなる。

オーガは埒が明かないと思ったのか、反撃してきた。構わず槍を突くが腹をかするだけに終わる。

こうなると今度は僕がまずい。槍はリーチが長い分、近づかれたら不利になる。オーガもそれが分かっているのか攻撃を仕掛けようとする。

だが、それは罠だ。


「「魔手」!「魔槍」!!」


オーガからしたら両手が塞がっている今がチャンスだと思ったのだろう。

でも、無ければ作ればいい。僕にはそれができる。

さらに「隠匿」のもう一つの効果である自分の気配を目の前に出現させる。


オーガからしたら、急に奇襲され、腕を失い、敵の腕と槍が増え、敵がもう一人現れる。脳がフリーズしても仕方が無いだろう。

オーガの止まった隙を狙い、僕は槍を振る。

オーガの胴体はきれいに分断され倒れる。


「やっっったーーー!!」

僕は大声で喜ぶのであった。


その後、他の魔物に狙われ死にそうになったのはいい教訓になった…

やっぱりこの森は鬼畜である。




――――――

ステータスとスキルの効果を載せました。4歳の時、ガチャで獲得したのは「記憶力上昇」「思考加速」「強撃」となります。


気になることがあったら聞いてください。



名前 キース

年齢 5

体力 100

魔力 168,767/168,767

筋力 98

速さ 80

耐久力 112

パッシブスキル:

(ノーマル) 「筋力上昇Lv.9」 「耐久力上昇Lv.9」 「精神耐性Lv.7」 「速度上昇Lv.7」 「痛覚耐性Lv.5」「記憶力上昇Lv.3」「毒耐性Lv.4」「麻痺体制Lv.1」


(レア)「不眠」


アクティブスキル:

(ノーマル) 「ガチャLv.4」「回復Lv.8」「サーモグラフィーLv.6」「思考加速Lv.6」「強撃Lv.1」


(レア)  「アイテムボックスLv.5」 「隠匿Lv.4」 「気配感知Lv.4」 「魔力操作」 「ウサギ耳Lv.4]


     「軽量化ⅡLv.2」


(ユニーク) 「魔手」 「スキル変換」


称号 (転生者) [見届け人] [死人に口なし]


「記憶力上昇Lv.3」

4歳の時ガチャで獲得した。記憶力が上がる。


「不眠」

「快適睡眠」の進化スキル。寝ることができない。魔力枯渇による気絶時間は2時間になる。


「思考加速Lv.6」

思考速度を30%上昇させる。一秒間に魔力を1消費する。


「強撃Lv.1」

一撃の威力を10%強くする。魔力を100消費する。


「軽量化ⅡLv.2」

「軽量化」の進化スキル。持つ物を20%軽くする。一秒間に魔力を1消費する。


[死人に口なし]

世界から死んだと認識された証。アンデットへの親和性が上昇する。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る