2つで1つのゲーム

「ゲームの内容は、ポーカーか、大富豪のどちらかをランダムで決めてやるんだ。」


「ランダムってどう決めるんだ?」


「ジョーカーとAを2枚ずつ入れたのは山札を引いて、ジョーカーならポーカー、Aなら大富豪をするんだ。まず、5枚のカードが全員に配れる。次に、手札を見て、1番目の人から3周、カードを山札と好きなだけ交換する。そして、2種類のうちから1種類どちらかのゲームを決め、全員の順位が確定するまで行う。」


つまり、自分を決めてからゲームの内容をランダムで決めるということか。

ポーカーと大富豪で違う役が必要になる。共通して強いのは絵柄カードか。


シクザールが口角を引き上げ、挑発するように笑った。

「どう? もう決まりだよね?」


まるで、僕が選ぶ前から結論が決まっているかのような言い方だった。

「……」


正直な話をすると面白そうではある。この誘いに乗るべきか。

シクザールが仲間になるのであれば、僕にも勝機がありそうだ。


僕一人だけではダメだ。このゲームは個人戦のチーム戦だ。

最低でも2人以上味方がいなきゃ、このゲームは勝てない。


「シクザールは一緒に出てくれるのか?」


「あぁ、ボクはカール君の味方だよ――今ね」

その言葉を、僕はもっと疑うべきだったのかもしれない。


今は――ね。だが、シクザールが参加してくれるんだ。前提条件は整った。

そういえば――。


「アルさんは参加しなんですか?」

アルは苦悶の表情を浮かべ、しばらく沈黙した後、ポツリと呟いた。


「……シクザールと賭け事をするのは、正直ごめんだ。まだ教えてないルールもあるしな。でも、やらなきゃいけないんだろ?」

そう言って、彼は諦めたようにため息をついた。


結局やることになったのは、僕、シクザール、アルの3人でやることになった。

「この3人で勝利しよう!」


僕は、まだ知らなかったんだ。

この先、2人が地獄を創り出すことを。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る