政略結婚のススメ
月森むつみ
プロローグ
愛のない政略結婚なんて、きっと息苦しいだけだと思っていた。
けれど、一生独り身で、肩身の狭い思いをしながら家で暮らすよりは、ずっといいのだとも。
なのに。
「百合子さん、触れてもいい……?」
その眼差しは、こちらの身が灼かれてしまいそうなほど、熱く蕩けていて。
顔を真っ赤にして何も言えない私に、その人は甘えるように鼻を擦り寄せる。美しい顔が視界いっぱいに広がって、チカチカと目の前が閃光した。
私なんかに触れて、楽しいのだろうか。
そうは思うけれど、甘く煮え滾るような彼の瞳は、到底私を逃してくれそうになくて。
やがて、震えながらもどうにかこうにか諾と答えた私の唇は、嬉しそうに綻んだ彼のそれに、激しく奪われてしまうのだった。
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