第35話 隠しステータス
「……なるほど隠しステータスか」
凪は納得した様子を見せた。
「あれ?驚かないんだね」
昭はつまらなそうな様子で凪を見る。
「驚くというか……昭がワールドオーダーの開発に関わっている時点で察した」
凪は無表情で昭の様子を見始める。
「流石、凪ちゃん、昭のこと良くわかってるね」
昭は呆けた笑みを浮かべて凪のゴールド色の瞳を見る。
「麟憧家の縁が切れても姉妹だからな」
凪はため息をつき、昭の黒い瞳を見た。
「凪ちゃんは、相変わらず超スパルタだけど、面倒見良いし、お人好しだよね」
昭はクスクスと笑いながら凪に言う。
「……誉めても何も出ないぞ」
凪はジト目で昭の黒い瞳を見た。
「とりあえず話を戻すと、隠しステータスは昭も何となくで色々作ったからわからないんだよね」
昭はテヘッとした表情で言う。
「おい!」
「でも、霧菜の隠しステータスはわかるよ」
昭はクスクスと悪戯じみた笑みを浮かべて凪を見る。
「焦らさずに教えろ」
「はい、はい」
昭は真剣な表情になり凪のゴールド色の瞳を見た。
「それは潜在能力だよ」
「潜在能力?」
凪は潜在能力と聞いてハテナを浮かべる。
「そのままの意味だよ」
昭は笑顔で凪のゴールド色の瞳を見る。
「なるほどな。霧菜はゲーム内で潜在能力が高いから勝てたということか」
凪は納得した様子で頷いた。
「凪ちゃん、認識に齟齬が出ているよ」
「……どういうことだ?」
昭は悪戯じみた笑みを浮かべて凪の黒い瞳を見る。
「潜在能力は
「?」
凪は昭の言っている言葉を理解出来ない様子になりながら考える仕草を見せる。
「おや?珍しいね」
昭はニヤニヤとした様子で凪を見る。
「……つまり、霧菜の
凪は納得出来ない様子で言う。
「納得してない様子だね」
昭はニヤニヤしながら凪の表情を観察する。
「仮に霧菜の潜在能力が高かったとしても勝てる者なのか?」
凪は納得出来ない様子で昭を見る。
「……まあ、霧菜の潜在能力だけだと、中級プレイヤーに勝てるぐらいかな」
昭は楽しげな様子で言う。
「……なるほど、つまり」
凪は納得して頷き始める。
「そう! 2つ目の隠しステータスがあるんだよね」
昭はわくわくした様子で凪のゴールド色の瞳を見る。
「2つ目の隠しステータスはなんだ!?」
凪は興奮した様子で昭の黒い瞳を覗き込む。
「明日、霧菜がログインした後に教えて上げる」
「……」
凪はジト目で昭の黒い瞳を見る。
「うん?」
ノックの音がして、静かにドアが開いた。
「霧菜、クマちゃんエプロン似合っているね」
昭は和んだ表情を見せて霧菜を見る。
「……」
霧菜はジト目で昭、凪を見る。
「え?凪ちゃんが昭と2人で、楽しく話してるのずるいって」
霧菜はジト目でほっぺをぷくっと膨らませてプンスカしていた。
「……」
霧菜は不機嫌そうな様子で頷いた。
「霧菜! ごめん」
「!」
不意に昭は霧菜を抱きしめる。
「……」
霧菜は不機嫌な表情がなくなりぼーっと気持ち良さげな表情を見せる。
「霧菜、夕食出来たから呼びに来たんだよね?」
「……」
霧菜は上機嫌に頷いた。
「凪ちゃん、行こうか」
「ああ」
「……」
昭は凪と霧菜の手を繋ぎ部屋を出て、夕食が並ぶテーブルの席に付いた。
昭、凪、霧菜、真名、理緒、5人が揃って「いただきます」と声を出して召し上がって行く。
食べ終えた後は理緒、真名は家に帰った。
凪、昭は大人同士で大事な話があるから、霧菜は風呂入って着替えて寝なさいと言われて部屋に戻っていた。
「……」
霧菜は部屋に戻りベッドに大の字になり横になっていた。
「……」
霧菜はわくわくした表情を見せていた。
「……」
霧菜は明日も楽しい1日になることを考えながら眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます