ダンジョン案内人として異世界転移した俺、実はマップ作成スキルが伝説級!? 冒険者ギルドの受付嬢から女神まで俺のハーレムメンバーになりたがる理由がわかりません

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第1章:異世界転移と謎のスキル

### 第1パート:異世界転移

「はぁ…またクビか」


俺こと(さとう かずま)は、会社の机を片付けながら溜息をついた。地図製作会社の新人だった俺は、入社3ヶ月目にして早くも解雇通知を受け取ったところだ。理由は「地図作成の才能がない」という実に明快なもの。


確かに俺の作る地図は、縮尺が合わなかったり、道が繋がっていなかったりと散々なものだった。でも好きでやっていたんだ。子供の頃から地図を眺めるのが好きで、自分で作った地図を持って冒険ごっこをしていた。その延長で地図製作の仕事に就いたのに、結局は才能がなかった。


「才能ねぇ…」


会社を出て、雨の降る夜道を歩きながら考える。就職活動をやり直すか、それとも違う道を探すか。


そんなことを考えていると、前方に妙な光が見えた。まるで空間が歪んでいるような、青白い光の渦。


「なんだあれ…?」


好奇心に負けて近づいた瞬間、足を滑らせて転んでしまった。そのまま光の渦に吸い込まれる。


「うわぁぁっ!」


意識が遠のく中、最後に思ったのは「また面接かよ…」という他愛もない愚痴だった。


---


目が覚めると、そこは見知らぬ草原だった。


「ここ…どこだ?」


周りを見回すと、どこまでも続く草原と、遠くに見える森。空には見たこともない形の雲と、二つの月が浮かんでいる。


「二つの月…?夢か?」


自分の体を確認すると、着ていたスーツは消え、代わりに茶色の革の上着と黒いズボン、腰にはベルトと小さな袋が付いていた。


「これは…異世界転移ってやつ?マンガやラノベでよくある展開だけど、まさか本当にあるとは…」


頭の中に突然、情報が流れ込んできた。


【名前:佐藤一馬】

【職業:ダンジョン案内人】

【レベル:1】

【スキル:マップ作成(初級)】


「ダンジョン案内人?マップ作成?」


現実世界では才能がないと言われた地図作りが、この世界での俺の職業になるとは。皮肉な話だ。


とりあえず立ち上がって周囲を見渡すと、少し離れたところに道らしきものが見える。その道を辿れば、どこかの町や村に着くだろう。


「よし、まずは人のいる場所に行こう」


そう決めて歩き始めたとき、腰の袋が気になった。中を確認すると、小さな羊皮紙と、見たことのない形の筆が入っていた。


「これが…マップ作成用の道具か」


試しに羊皮紙を広げて、周囲の景色を眺めながら筆を走らせてみる。すると不思議なことに、筆が自動的に動き出し、俺の見ている景色を正確に地図として描き始めた。


「おお!これはすごい!」


俺が動くと、それに合わせて地図も更新される。まるでGPSのように正確だ。現実世界では才能がなかったのに、この世界では筆が勝手に地図を作ってくれる。


「これなら…案内人として生きていけるかも」


少し希望が湧いてきた俺は、道を歩きながら地図を作り続けた。しばらく歩くと、遠くに町らしき建物群が見えてきた。


「あそこが最初の目的地だな」


地図にその町の位置を記し、俺は足を速めた。

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