リリー·ルーゼント

俺が、地面に落ちた【呪詛】であった魔石の破片を見つめていると…


「ルーク様!」

「ぷぎゃーーー!!!」


アティカスくんとリヒトが、俺を呼びながら近づいてきた。

(良かった。二人共、無事みたいだ…シルバーウルフも倒したみたいだ…本当に、よかった!)

その後ろに、オリヴァーさんといつの間に来たのか、エル師匠もいる。


「ルーク様!ご無事ですかっ?!」

「うん。大丈夫だよ…二人も、無事で良かった!」

〖ボク、がんばった!〗

「そうか!ありがとう!……って、ん?」


俺は、驚きリヒトを見つめる

リヒトは、嬉しそうに身体を揺らし俺を、見上げている

(え?今……リヒトが、喋ったのか?いやいやっ!まさか…)


リヒトを抱き上げ問いかける。


「リヒト?」

〖うん?どうしたのルーク?〗


(マジか……。)

俺が、驚きすぎて固まっているとアティカスくん達も驚きの声を上げた。


「まさか!この声は、リヒト様なのですか?!」

「まぁまぁ!!なんてお可愛らしいお声かしら!」

「うんうん!リヒトだっけ?この子は、竜人族だからね!成長すれば、話せる様になるし姿だって人化するんだけど…?リヒトは、普通の竜人族より成長が早い様だね!」

「そう言えば、リヒト様は、身体の成長もとても早かったですからね。」

「そう、なんですか?でも、どうして急に?」


皆の話を聞きながら、俺はリヒトを撫でるとリヒトは、〖ボク、すごい?すごい?〗と頭を擦り寄せてくる

微笑み「うん。すごいよ!リヒト」と言い、更に優しくリヒトを撫でると、リヒトはふんす!っと、鼻を鳴らす

(リヒト、尻尾めっちゃ揺れてる!わんこみたいだな。リヒトきっと今、凄い嬉しいんだろうな…。リヒトに、記憶があるのかは分からないが、もっと甘やかして、褒めて、辛かった事なんて忘れてしまうくらい、幸せにしてやりたいな…。いや、する!そう決めたじゃないか…)


リヒトを抱き上げ優しく抱きしめる


「リヒト、絶対幸せにしてあげるからね!」

〖???…ボク、もうすっごく幸せだよ?〗


リヒトの言葉に、俺は一瞬、目を見開いたがすぐに微笑む。


「そっか、でも…もっともっと沢山、幸せになろう!」

〖うん!幸せになる!ルークも一緒?〗

「うん。一緒だよ!俺達に、二人で一人だから…」


その言葉に、リヒトは嬉しそうに頷くと、俺の胸に頭を擦り寄せ目を閉じる

そんな俺達二人をアティカスくん達が、優しい顔で微笑み見つめていた事に、俺達二人は気づかなかった。


波乱のお茶会から…数日


あの後、気絶したリリー夫人とサイラスは、部屋へと運ばれ二人を、診察した医師からは、命に別状はないと言われたらしい。そして、お茶会へ参加していた貴族達と子供達も、誰一人怪我することなく帰路についた。


そして現在、公爵様とリリー夫人、サイラス、オリヴァーさん、アティカスくん、マリーさん、リリー夫人の兄ウィルとマリア、エルティア、そして俺とリヒトが、ダイニングに、勢揃いしていた。


「今日は、集まってもらったのは、皆知っているだろう。お茶会の件についてだ。」

「昨日のお茶会に、現れたシルバーウルフの件ですね。それと、リリー様の突然の異変」

「そうだ。リリー、シルバーウルフが、現れた時の事を話しなさい。」

「…………」


リリー夫人は、俯きながらぽつりぽつりと、語りだきた。


「皆様と、お話している途中…何も無い空間が歪んだと思ったら突然…シルバーウルフが、目の前に現れ唸り声を上げていたのです。」

「ふむ…。歪みから突然か…転移魔法で、あの場に移動してきたのかな?う〜ん、でも、どうやってだろう。転移魔法をするにしても、あの場に、がなければ、あの場に、瞬間移動する事は不可能なはずだし……」

「あの、エル師匠?って?」

とはね、転移する場所に無くてはならないモノなんだよ。例えば、魔石や短剣に自身の魔力を込めて、移動したい場所にとして置いておくんだよ!そうすると、その場に移動できるんだよ!もしを置かず、転移魔法を使うと目的の場所に行けず、歪みの中で迷ってしまうからね!」


そう言いながら、俺の隣に座っているエル師匠が教えてくれた。

それを聞いていた公爵様が、口を開く


「オリヴァー、お茶会でそれらしき怪しいモノなどは、なかったのか?」

「いえ…。お茶会が始まる直前まで、中庭や屋敷内を確認しておりましたが、その様なモノは見ておりません。」

「そうか…」

「もしかしたら、来客の誰かが、持ち込んだのかもしれないね?もしくは、最初からあの場所に元々居たか……」


エル師匠は、そう言いながらリリー夫人を見た。

リリー夫人の肩が、ビクリッと揺れる

そして焦った様に、リリー夫人は口を開いた。


「私は…っ!何も……知らなかったのですっ!」

「おや?僕は、別にリリー様の事だとは、言ってませんよ?」

「ーッ!?」

「リリー、お前…まさか……」


公爵様が眉をひそめ、リリー夫人を見つめる。

わなわなと震え、顔を青白くしリリー夫人は、ガタッと、音を立てて、立ち上がると俺を睨みつけてきた。


「お前が……お前が、いけないのよ!あのままあの別邸で、死んでくれれば、よかったのにっ!!」

「お…お母様ッ?!」

「リリー、何をッ!?」


その言葉に、リリー夫人以外のその場に居た全員が、凍りつき目を見開きリリー夫人を見つめる

俺もリリー夫人の突然の言葉に、驚き膝の上に座っていたリヒトを、抱き締めていた。


「ずっと、ずっと…ずっと…っ!お前が、目障りだったのよ!忌々しいあの女と、よく似たお前が、わたくしは死ぬ程大っ嫌いだったわ!」

「だから、今までも嫌がらせを?」

「えぇ…そうよ!あの女が、死んで邪魔だったお前の事も、別邸へと追いやった。そして、やっと!やっと…ッ!公爵夫人という地位を手に入れ、愛しい息子も産まれて、幸せだった。なのに……」


リリー夫人は、美しい顔を歪め叫ぶ


「お前が、再び…わたくしの目の前に、現れた。それも正当なルーゼント家、嫡男として!!憎たらしい。やはり…お前を、消しておくべきだったわ!」

「リリー様!落ち着いてくださいッ!」

「リリー!もうやめるんだ!」


ウィル達が、リリー夫人を落ち着かせようとしたが、リリー夫人は、俺を見つめたまま続けた。


わたくし…お前が、別邸でどんな扱いを受けていたのか、ずっと知っていたのよ。どうしてか分かる?」

「…………ッ」


俺が、微かに震えながら小さく左右に頭を振るとリリー夫人は、歪んだ笑みを向けて告げた。


「だって……そうなる様に、仕向けたのは、このわたくしですもの!!!別邸の使用人達に、命令してそうさせていたのよ!」

「なッ!!?!!?!」

「リリー様!それは、どういう事ですか!」


リリー夫人の言葉に、公爵様達が驚愕し騒めく

俺は、俯きリヒトを更に強く抱き締めた。

そんな俺の姿を見たリリー夫人は、壊れた様に笑う

(本邸に来た時から、嫌がらせやそれなりに、酷い扱いをされてきたが、まさか……別邸であんな扱いになっていた原因が、リリー夫人だったなんて……)


「それと、もう一つ…ずっと、誰も知らなかったわたくしの秘密を教えて差し上げるわ!」


リリー夫人は、俺を見つめ歪んだ笑みのまま語り出し

た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る