A級冒険者 グレン

登録手続きを終えて、依頼ボードで依頼を少し見ていこうと依頼ボードがある場所へと移動している途中突然、ドンッとわざとらしく俺に人がぶつかってきた。


「いッ!」

「おいおい!!!!いってぇーなッ!こりゃあ〜骨折したわ!おー!痛ぇ〜!」

「ドナムさん!大丈夫ですか!!おいガキ…お前のせいで、ドナムさんが怪我したじゃねぇーかどうしてくれんだ!!」


俺が痛いと口にする前に、ぶつかってきた相手がでかい声で騒ぎ出す…ぶつかってきた男はドナムという名らしい…

ドナムは、それなりに大きく筋肉質なガタイをしていて180cmはあり、顔は目付きがとても悪く冒険者というより、山賊や盗賊みたいな見た目をしている

寧ろそうだと言われた方が納得できるほどだ


「おい!聞いてんのか!!」

「ドナムさんは、C級冒険者なんだぞ!!これからC級の依頼を受ける所だったってのに…これじゃあ受けることもできねぇーじゃねぇか!!どうしてくれんだッあ"ぁ"!!」


ドナムの周りにいるパーティーメンバーらしき男達が、俺達を囲み大声を粗げ絡んでくる

(あれ?これ…もしかして俺達、絡まれてる???これあれじゃない…ラノベとかでよくあるやつ…)


今にも、殴り掛かりそうな勢いで男達は罵声を浴びせられながら俺が、悪いとばかりに男達は問い詰めてくる

いやいや…わざとぶつかりましてよね?この人

そう心の中で思いながらも、俺は中身は36歳元社会人のしっかりした大人なので丁寧に謝罪を口にした。


「申し訳ありません。ぶつかるつもりはなかったのですが…」

「謝った所で、痛めた腕は治らねぇーんだわ…」


溜息をつき痛い痛いと騒いでいるが、どう見ても、俺にはぴんぴんしている様に見えるのだが…

丁寧に謝罪をした俺に、ドナムは見下しながら続けた。


「仕方ねぇ…おいガキ!金貨五枚で許してやるよ…」

「…はぁ?」

「はぁ?じゃねぇーよ!金貨五枚でこの怪我許してやるって言ってんだよッ!!!ほら!」


ドナムは、そう言い片手を出しさっさと金を出せと要求し周りの男達も、さっさと早く出せ!やドナムさんの優しさに感謝しろよ!等と好き勝手に言っている

(いやいや…!?!ぶつかってきたお前じゃないか?それに金貨五枚…え?日本円だと五万…高ッ!!!)


俺は、周りにいた冒険者達を見るとまたドナム達だ!彼奴らまた、新人冒険者に絡んでるよ…と囁きながら、関わりたくないというように見ない振りをしている

では、ギルドの人間ならとそちらを見れば、目が合った瞬間目を逸らされた。マジか…

そしてさっきから後ろにいる二人からとてつもない殺気を感じている…

(まずい…非常にまずい…後ろからの二人の殺気が怖すぎるんだが!?どうしたら…このままじゃ絶対この二人手を出しそうだ…!)


考え込んでいるとドナムが痺れを切らしたのか早くしろ!!!と怒鳴りながら俺の胸ぐらを掴もうと手を伸ばした瞬間


「感心せんな…若造よ」


女性の声が聞こえたと思ったらドンッという大きな音を立てドナムは、床に叩きつけられていた。

潰れた蛙のように床に倒れているドナムの横に1人の女性が立っていた。

女性は、160cm位の身長で真っ赤な髪を後ろで一つに縛りキリッとしたつり目、赤とオレンジが混ざったような色でとても目立つが、それよりも俺が目を奪われたのは、頭に生えた真っ赤な二本の角だった。


『【銀月】のグレンだ……』


誰かがそう言うとあちこちからA級冒険者や竜人グレンだ等色々聞こえてくる

(A級冒険者だって……それに竜人って…マジか!!)


「ふむ…ちょとやり過ぎたかの?まぁよいか!よっとッ!」


グレンは、倒れてるドナムの首根っこを掴み軽々と持ち上げるとそのままギルドの外へと投げ捨てた。

(えーーー!?!いいのそれ?!え?!あの人大丈夫!?!)


ドナムの取り巻きだった男達が、慌てて外に飛ばされたドナムを追いかけバタバタと出ていく


「さて…大丈夫だったか?坊や」

「へぇ?坊や…?」


グレンは、俺を見ながら心配そうに話しかけてくる

俺は、ははは…と笑いながら大丈夫ですと伝えるとグレンは、俺の頭をくしゃくしゃと撫でよかったと微笑んだ


「坊や…名は何と言うのじゃ?」

「あ!ルークって言います。本当に助けて頂きありがとうございました!」

「我は、グレンと申す!グレンでよいぞ…見ての通りの竜人族じゃ!はて…ルーク…どこかで聞いた様な見た様な名じゃの?…ふむ」


グレンが、顎に手を当て唸っているのを見ていると聞いたことのある声が、聞こえてきた。


「やっと見つけた〜!探したよグレン」

「おや…エルじゃないか…久しいの〜」

「久しいの〜じゃないよ!戻ってきたなら連絡してくれよ!」

「連絡はしたじゃろ?ついさっき…」

「ついさっきじゃ遅いの!この街に着く前日とかに連絡してよ〜!いつも言ってるじゃないか!」

「ふむ……面倒よの…」


現れたのは、やはりエルティアだった。

エルティアは、グレンと知り合いなのか仲良さそうに話している

その様子を見ていると、エルティアが俺に気がついた。


「おや!ルークじゃないか!どうしてここにいるんだい?」

「冒険者登録に…」

「あぁ…!そうか!そう言えば今日冒険者登録をすると言っていたね!ちゃんと出来たかい?」

「はい!何とか…」

「うんうん!そうか!よかったね〜」


エルティアは、そう言い俺の頭を優しく撫でる

俺とエルティアの様子を見たグレンがおや?と口を開く


「エルよ…もしや、手紙で言っていた魔法を教える事になった公爵家の子供、ルークとは、この子か?」

「そうだよ!僕の教え子ルークだよ!」

「そうかそうか!そなたが、ルークじゃったか!ふむ!確かにエルの言う通り…素質があるようじゃの〜」

「うんうん!でしょう!!ルーク凄いんだよ!教えがいがあるんだよ!!」

「ほぉ〜珍しいの〜!エルが、そこまで言うとわ…」


エルティアと話していたグレンは、俺の方を向きじっと見つめてくる

見つめられているだけなのに何か不思議なものを感じる…エルティアに精霊眼で見られた時と少し似ている気がする

(もしかして何かスキルで俺の何かを見ているのか?)


「ほぅ…これは驚いたの!我の持つ上位鑑定スキルでも全てが見えぬとは…面白い…」

「でしょ〜!面白いんだよ!ルーク…あ!そだ!ルーク」

「はい?」

「ここまで来たついでに、教会へ行ってきたらどうだい?少しお金は掛かるけど、自身の事はちゃんと知っていた方がいいだろうからね!これからの為にも必要な事だろうからね!」

「…教会…」


俺は、少し考えて行ってみますと頷いた。

(教会へ行けば、全部のステータスが分かるなら今のうちに行った方がいいよな!)


その後少しだけエルティア達と話した後、エルティア達は用事があるとギルドの前で別れた。



「行こう!アティカスくん!マリーさん」



そう二人に言い二人を連れて俺は、エルティアに教えてもらった教会までの道を真っ直ぐ歩き出した。

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