第12話(後編) サウナで有名なスーパー銭湯(熊本)
〜サウナをしばらく堪能して〜
風呂を済ませ、館内着に着替えた晴明は2階スペースへ。
上った階段のすぐ右にレストランスペースはある。
レストランとは言っているが、普通によくあるような飲食スペースと違い、ここは壁などのしきりがない。
2階スペースの一角にカウンターがあり、付近に椅子と机が設置されてるだけだ。イトーヨーカドーのポッポのようなフードコートを想像するのが近いか。
なので、初見はどこ座れば良いのか困りがち。
辺りを見回せば、同じく館内着を着たセイル達を発見。
「すまん、待たしちまったか」
「いや、私たちも今しがた出たばかりだ」
「そうか、そりゃ良かった……ところでそっちどした?」
何故かセイルの向かいで座るバルバトスが渋い顔をしていた。
「天下の大悪魔様がこんなだるんだるんの服を当たり前のように着てるのがな……まだ受け入れがたくてよ」
「なんだ、リラックスできるだろ」
セイルはそんな反応に異議を申し立てているが、思うに自分がそれを着ている事がではなく、ライバル的存在が何の疑問を持たず館内着着ているのがショックなのだろう。
バルバトスの気持ちも分からんでもないが、それは置いといて館内着素晴らしいよね。
これによって忙しい日々とはシャットダウンされ、完璧に心の底から解放されるアイテム。
セイルと晴明は館内着の素晴らしさを伝えるが、結果は色々諦めたバルバトスが出来上がっただけだった。
これ以上考えるのもアホらしくなったのだろう。諦めたバルバトスが晴明を催促する。
「ほら、座れよ。サッサと飯食おうぜ」
「それもそうだ。バトーは何か注文したのか?」
「テキトーにコイツと同じのにした………って、おい待て。何だその呼び方は」
晴明はメニューを眺めながら素っ気なく答える。
「ん?バルバトスだと長いし、外出時用の渾名にしてみたんだが」
「セイルは、まんまじゃねえか」
「セイルは3文字だし」
「雑だな、我が主」
嫌ならやめるけどと晴明は言うと、バルバトスは呆れたようにため息を吐く。
「別に構わねえよ。で、主君──」
「外では晴明呼びで良い」
「……あー、晴明は何食うんだ?」
「正直迷ってる」
そろそろ夕飯時。
このまま米付き定食セットを頼むのもいいが、折角のサウナ後だ。
ここは奮発してアルコールチャージしたい。
「んー、アジフライを単品。あとビールだな」
「はい、水」
いつの間にか水を取りに行ってくれてたセイルが戻ってきた。セイルが注文したものが気になったので、聞いてみる。
「サンキューなセイル。なあセイルは──」
「マーボー定食だ。元祖の」
「やっぱり」
セイルに伺うと、ふんすと鼻息を荒げて食い気味での返答。
セイルが麻婆豆腐をチョイスした事を予想していた晴明に、バルバトスは尋ねる。
「……そんな人気なのか?」
「まあ、美味いのもあるんだが」
晴明とセイルは目を見合わせて、ある人物を思い浮かべる。
「タイゾーだ」「タイゾーだな」
「?」
ドラマ『サ道』おすすめです。
◆
「お待たせしました〜」
セイルは従業員の声に振り返る。
晴明よりも先に注文していた私たちの麻婆豆腐が運ばれてきた。
お盆に乗せられ運ばれたのは、麻婆豆腐(元祖)定食。
ミニサラダ、揚げ餃子が2つと餃子用タレ、味噌汁ご飯。
そして、平たい大皿に主役の麻婆豆腐が鎮座している。
中華料理独特のスパイシーな香りがサウナで空いたお腹を、底から刺激してくる。
「では、お先に」
どうぞどうぞと晴明の返答を聞き次第、レンゲを握り大皿に注がれた麻婆豆腐を掬う。
バルバトスも私を真似て、麻婆豆腐を食べに取り掛かる。
まずは米と食す前に単体で。
赤い輝きをコーティングされた豆腐を十分に冷ましてから一口。
「───アチッ!」
熱々餡に不慣れなバルバトスが冷まし切れぬまま口にしたのか、晴明がバルバトスに水を手渡す。
本来であれば、私も助けるべきだろうが、先ほどの一口で食欲に火がついてしまった。
バルバトスを横目に麻婆豆腐以外にも手を出していく。
揚げ餃子を一つ、箸で掴み上げ、
───カリッ、ザグザグ。
焼き餃子も良いものだが、揚げもまた良し。
何よりこの揚げによるカリカリ食感がたまらない。
もう一つ、今度は付属のタレを付けて。
──ぺとり、ザグザグ
ここの餃子用タレはラー油や醤油などではなく、麻婆豆腐と同じくとろみのついた中華タレ。
パプリカパウダーの入った甘酸っぱい中華ソースに付けて食べれば、味が深くなる。
揚げ餃子もあっという間に食べきってしまい、いざ本題へと取り掛かる。
ここの麻婆豆腐には「本家風」と「元祖風」の2つある。
元祖はガッツリ濃いめの味がついて日本風麻婆豆腐。
これは単品ではなく、米と共に食せば更に上手くなる。
対して本家風は、元祖よりもあっさり目で、旨さの中の純粋な辛さを堪能できる本場風麻婆豆腐。
サウナと水風呂のローテーションで体力とエネルギーを消費し身体が、
一旦味噌汁を挟み、ホカホカと湯気が立っている白米をレンゲで掬う。
レンゲに白米を乗せた状態で、更に麻婆豆腐もすくう。
湯気がたつ白米と熱々のとろみ。
間違いなく熱いのは分かりきっているが、食欲という獣が牙を剥きはやる気持を抑えきれず、レンゲをすかさず口へ。
「───ほっ」
やっぱりまだ熱すぎた。分かりきった結果。
セイルは熱さを誤魔化そうと口の中で試行錯誤する。
義経の八艘飛びの如く口内あっちこっち豆腐が転がされ、次第に熱さが退くと共に、味が広がっていく。
「ふぅ……美味い」
「ん、初めて日本米食ったが、何かと一緒に食うと美味いな」
見ればバルバトスも麻婆豆腐の熱さに対応し、堪能している。
バルバトスは白米が入った器を手にし、その上に直接麻婆豆腐をかけて口に運んでいた。
「今度、バトーを丼ものに連れてくのもアリかもな」
食べっぷりを見ていた晴明がそう言うと、バルバトスが反応。
「どんもの?」
「大きな器に米入れて、その上に直接具を乗せた料理でな。まあ、そのまますぐ食えるんで、昔ながらの日本式ファストフードだ」
晴明の説明にバルバトスが興味を示す中、セイルは手を止めず黙々と麻婆豆腐に没頭。
ここの麻婆豆腐。
その中には豆腐以外にも、野菜が入っている。
それは緑の輝きを放ち、しかしネギではない。ニンニクの芽である。
豆腐と共に運ばれるのは、ニンニクの芽のシャキシャキとした食感と野菜特有の甘味。これが麻婆豆腐に緩急をつけてくれる。
掬う。食べる。掬う。食べる。掬う。食べる。
食べれば食べるほど口に運ばれるまでのスパンが速くなっていき、勢いよく食べると思わずむせてしまいそうに。
ホアジャオの後を引く痺れが心地よし。
辛い、だが、しっかり旨い。
これこそ美味しい麻婆豆腐。
折角流した汗も、麻婆豆腐により内側から温められ、額から汗が落ちる。
……この後、また風呂に行くか。
そんな事を思いながら、最後の一口を口に収めた。
◆
麻婆豆腐を食す2人を尻目に、ずっと食欲を我慢していた晴明は注文の品が届くとスグに手を伸ばす。
キンキンに冷えたビールジョッキをむんずと掴み、即座に傾ける。
グビッ、グビグビグビ!とビールを勢いよく喉に流し込む。
「───ッッッッカァア〜〜〜!美味い!」
サウナ後の開幕アルコールは効く!
喉越し爽快!
もう一口ビールを堪能していると、麻婆豆腐を食べ終えたバルバトスが運ばれてきたアジフライに視線を向けていた。
「日本のフィッシュ&チップスか、これ」
「フィッシュ&チップスって面白い見解だな」
麻婆豆腐も堪能していたので、バルバトスは食に興味を持ってはくれたのだろう。嬉しい事だ。
アジフライ。
形は一般的な開きの形ではなく、半身で揚げられている。
量はアジの半身が3切れ、つまりは1匹丸々+半分。そして、身とは別に骨が単体で揚げられ、更に乗せられていた。
パン粉をつけて揚げられたアジ。
ビールを装備した晴明には、アジフライが黄金の如く、輝いて見える。
「試しに食ってみるか」
「良いのか?」
晴明は「どうぞ」とバルバトスに一切れ差し出す。
バルバトスは箸で掴むと、ガブリと噛み付く。
───ザックゥ!
「……美味いな。タラと比べたら硬めだが、十分身が柔らかい」
晴明もビールを置いて、アジフライにガブリ。
ビールで爽快になっていた口に、揚げ油と魚の旨味が乗った脂が津波のように広がっていく。
サクサクの衣の中から肉厚のアジ。
魚臭さはなく、アジの旨みがストレートに来る。
揚げ過ぎてガチガチの身ではなく、身がふわふわしてる。
そして、もう一度ビール。
「ふぅ〜幸せ」
今度はアジフライにタルタルをたっぷりつける。
それを目敏く見ていたバルバトスも気になったのか質問してきた。
「なんだ。卵サラダかと思ってたが魚用のソースなのか」
「バトーも試してみな」
ここのタルタルは、他とはちょっと異なる工夫がされている。
晴明はバルバトスのアジフライにもタルタルを乗せてやり、バルバトスはタルタルを溢さないように食す。
──ざくっ、カリッ、ザクザク、シャクシャキ
「やっぱり、タルタルとアジの組み合わせに間違いなし」
タルタルソースを付けた事で卵の旨味とまろやかさ。そしてマヨネーズなどの酸味がアジと融合してコクのある旨味に。
そして、アジフライのサクフワの食感の他に、何かシャキッと小気味の良い音が。
「なんだ?ピクルス……にしては硬いな。それに独特の甘味」
咀嚼を繰り返し、しばしシャキシャキ食感を楽しむバルバトス。未だ食感の正体を掴めないバルバトスに、晴明は答えを教える。
「それ、らっきょ」
「らっきょ?」
エシャロットなどは聞いた事があるだろう。
エシャロットはらっきょになる前を指す。
意外と日本人でもこれを知ってる人が少ない。
ちなみに、らっきょはニンニクの仲間である。
「それを漬けたのがらっきょ。普通はカレーのお供なんだけど。たまに、タルタルにも入ってるんだ」
普通のピクルスを入れるよりも固い食感を生み出し、食感に彩りを生み出す。
タルタルソースの酸味により、アジフライの消費はサクサクと進んでいく。
タルタルをツマミにビール。
アジフライをツマミにビール。
一息ついてビール!
アルコールで食欲増し増しの晴明。
半身3切分もあったのに、あれよあれよと言う間に無くなってしまった。
「すぐ食い切っちまったな」
そう言ったバルバトスは店員が回収しやすいように、晴明の皿と自身の皿に重ねてまとめようとする。(本当に気が効く)
しかし、晴明は待ったをかけた。
「まだ残ってるから、もう少し待ってくれ」
「あ?もう皿には骨しかねぇじゃねえか」
訝しむバルバトスを尻目に、晴明は箸を持つ。
箸が向かう先には、揚げられた尻尾付きの中骨があった。
バルバトスはその骨を飾りだと思っていたが、晴明は揚げられた骨を半分にボッキリ折り、口にヒョイ。
───バリボリバリボリ
「うめうめ」
「……………」
「……いや、そんな浅ましい子を見た顔しないでよ。骨、骨せんべいなの」
ほら見てみ、とセイルを指さす。
「うまうま(バリボリ)」
見ればセイルが、残っていた尻尾付きの方の骨をつまんで咀嚼していた。
…………あ、バトーがうなだれた。
2人して骨をバリバリ食べてたら、バルバトスがショックを受けて、顔が机に突っ伏した。
バルバトスのリアクション見てたら、初対面の頃のセイルを思い出す。懐かしいものだ。
晴明は、咀嚼を続けるセイルを横目で見る。
今となっては遠い過去の姿だ。
「なんだ晴明。その目は(パリボリ)」
「いや、別に」
晴明は目を逸らしてビールを流し込んだ。
◆
食事を終えた3人(1人と悪魔が2柱)は、帰りの準備を始めて───いなかった。
「今日はここで過ごします」
「あ?帰んじゃねえのかよ」
晴明の言葉に「まあ別に良いが」とバルバトスはそう返して、辺りを見回す。
2階の通り道。
その通り道の壁には、ズラリと並ぶ1万冊以上の漫画が。
この施設は24時間営業で、寝泊まりもでき、女性専用ゾーンもあるので、安心して寝れる。
「せっかく来たのだから、フルで満喫しよう」
そう言って晴明は、「明日の朝まで自由行動で」と言い残して再度風呂に浸かりに行った。
残されたバルバトスとセイル。
バルバトスは漫画で形成された壁を見ながら、訝しむ。
「しかし漫画ねぇ。そんなに面白いもんか?」
バルバトスは漫画を読んだ経験が無い。
正直サウナと飯でいい気分なので、このまま寝ても良い。
ただ、
「ううむ。最新刊まであるとは、やはり品揃えがいいな」
バルバトスに対して、セイルは漫画に食いついている。
同族が熱中しているという事実に、バルバトスは興味を持っている。そして折角来たのだから、見ないのも勿体ないかという感情もある。
ここは経験者に聞くべきかと判断して、漫画を物色しているセイルに声をかける。
「セイル、何か見繕ってくれ。おすすめはねぇのか?」
「ん?おすすめ?」
「一番面白かった漫画でいいからよ」
「難しい質問を………………まあ、あるぞ」
バルバトスの質問に、しばしセイルは考えてから、本を探す。
そして、本棚の一角にあのタイトルを見つけて満面の笑顔で答えた。
セイルはごっそり漫画を取り出す。
「ほら、24巻くらいだから一気に読むと良い」
「……多く無ぇか?」
「少ない方だ。100を超えてないだろ」
「毒されてやがる。……まあ、読んでみるわ。ありがとな」
「いやいや。構わない。読んだら感想を是非聞かせてくれ」
漫画を勧めるセイルの目は、とても笑っていた。
◆
〜朝〜
「……ぅん?…………そっか寝落ちしてたか」
薄暗い共有スペース。
そこにあるリクライニングチェアから、もぞもぞと晴明が体を起こした。寝ぼけながらスマホを見ると6時頃。
周りを見渡せばまだ寝ている客が目に入る。
欠伸をしながら頭をポリポリかき、ふと自分の胸の所に付箋が貼ってあるのに気づく。
「……『朝風呂』……セイルか」
端的にそれだけ書かれた付箋。
筆跡からセイルのものであるのが窺えた。
確か昨日は、軽く2度目の風呂入った後に漫画『ファブル』を読んで。
そのまま眠ってしまったか。
……俺も風呂行くか。
晴明はよっこいせと立ち上がり、寝ていた共有スペースから一階の風呂場に向かうため、漫画スペースを通り抜けようと歩く。
そして、
「………………」
「うおっ!?」
何気なしに漫画コーナー横の座席スペースを見ると、バルバトスがこてんと倒れていた。
「どうした?大丈夫か?」
晴明は寝る前に、バルバトスがここに座って漫画を読んでいた姿をチラリと見ていたが、位置が変わっていない。
まさか一晩中読んでたのか?
思いがけない光景に何事かとバルバトスに近寄る晴明。
晴明のかけ声に反応は無く、だが観察するとどうやら寝落ちしただけのようだ。
ホッとしながらも、しかし、バルバトスのその顔は何かにうなされているのか眉間に皺が刻まれている。
「一体何が……ん?これは」
バルバトスに視線が行っていたので気づかなかったが、良く良く見ればバルバトスのすぐ近くには20冊ほど、ある漫画が積まれていた。
恐らくバルバトスが最後に手を取っていたであろう1番上にある巻数は22巻。
そして、その漫画のタイトルは───────────「からくりサーカス」。
自分もこの漫画の大ファンで、連載当時サンデーを買って毎週楽しみにしてた。
なので、
「あー、なるほど」
理由が分かった。
少し前の漫画なので、初心者が手に取るとは考え辛い。とすると、セイルあたりが勧めたのだろうと予測立てる。
おおよそ確信しながらも、確認のため22巻をめくる。
からくりサーカス。
読んだことが無い人のために、ざっくり説明すると、熱量込められた熱いシーンと涙なしには読めない感動のシーンが盛り沢山の名作。キャラは一人一人が生きており、熱を感じぜざるを得ない。
だが、この漫画が有名なのはもう一つ。
「絶望」だ。
絶望感と、生き生きとしていたキャラ達のドン底の慟哭も凄まじいのだ。
それはもう容赦ない。容赦なく来る。不意打ちで来る。捻り込むように深く来る。
晴明自身、感性豊かな子供の頃読んだので悪役の笑顔が記憶に深く刻まれている。子供の頃に読んで、トラウマと化す子もいただろう。
だが、それでも、だからこそ面白い!
先が気になるので読む手が止まらない。
つまり、予想ではあるが、バルバトスも読む手が止まらず夜通し読み続けたのでは。初めての漫画、魅せる展開に、疲労よりも興奮が優っていたのだろう。
しかし、
「漫画初心者で、ここのシーンはクるよな」
22巻で開いたページ。
そこには、晴明も忘れもしない衝撃の展開が。
突然の不意打ちに受け止めきれず、バルバトスは疲労とショックと睡魔もあって、倒れるようにその場で寝てしまったのだろう。
「う、ぐぐぅあ……」
悪夢でも見ているのか、バルバトスが唸っている。
名作なので他人に勧めたい漫画の1つではある。ただし、バルバトスは漫画初心者である。
耐性が無い者にコレを勧めるとは。しかも、全46巻なのに、バルバトスには24巻までしか渡していないという明確な悪意。
「セイルの奴……悪魔だな……」
後で問い詰めてやろうと思いつつも、晴明は一旦朝風呂に直行するのであった。
⭐︎
〜溢れ話〜
帰宅後
「鬼か」
「待て我が主。私も流石に迷ったが、やはりここは良い物を思い出として」
「20巻頃(中盤)は絶望の節目で、全40巻超えは、一晩じゃ読みきれないの分かっててだよな。おい、こっち向け悪魔。………ちなみに迷ったと言ってたが、他には何を勧めるつもりだった?」
「宝石の国か、メイドインアビス」
どっちも絶望が売りの名作。
「確信犯だよ。何、バトー嫌いなの?」
「いや、全く……だが、正直自分が味わった綺麗な絶望は誰かに同じ思いをして貰って、共感したくないか?」
「それは分かる」
「しかも、初心者の純真無垢な感想って、たまらないだろう」
「それも分かる。超分かる」
綺麗な絶望って初めて聞いたが、共感する晴明であった。
ちなみに、バトーはその日の内に魔界へ帰らずに、教えてあげた満喫へ続きを読みに行った。
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