【脇リンパマッサージ】
「次は肩まわりいきますねー」
手首を掴んで片方だけバンザイの形にすると、上の方で押さえられる。
「はーい」
完全に全身の力を抜いて緩んだ返事をすると、
くりくりっ!
「っふ?!」小さく吐息が漏れる。
彼女は、脇の下を指を揃えてモミモミとマッサージし始めた。
確かに、いつものマッサージでも脇の下をツボ押しされることはあるけど…
(なんでこの人のはこんなにくすぐったいの?!)
指が脇の下の窪みをモミモミとほじるようにくすぐり…いや、マッサージする。
「リンパを流しまーす」
脇から脇腹まで、すーっと手が撫でる。「…んっ!」小さく声が漏れる。
コリコリっと脇腹の上を通った瞬間言いようのないくすぐったさが走る。
そしてまた、脇の下に戻ってモミモミ。指先で時折、こちょっとツボを刺激するように脇の下をほじくられて、笑ってしまいそうになる。
(わざとっ…くうっ、やってるんじゃないの??)
そう思わせるくらいしつこく、じっくりと脇マッサージは続いた。
モミモミ。すーーっ…モミモミ。すーーっ。
すーっと脇腹を手で撫でられるたびに体が跳ねそうになる。
「次反対いきますね~」
脇マッサージは、まだ終わらない。
反対の腕を上げてください、そう言われて、美樹は少し躊躇った。
「あ、あのぉ…」
もしかしたら、脇のマッサージの力加減が今度は少し私には強かったのかもしれない。
そう思って、
「もう少しだけ、力弱めで…」
「…は~い」
さっきは強くしろと言ったくせに、とその声はなんだか不満そうに聞こえた。
脇の下へ、今度は爪先でそそそ、となぞるようなマッサージが始まった。
(ちがっ!それ違ううう!!)
そりそり。こしょこしょこしょ。
指の一本一本の爪先が脇の窪みを優しく責め立てて、くすぐったすぎて反対の手で施術台の縁をぎゅっと掴む。
そして、次は…
つぅーーーーーっ…
(くぅぅっ…!!)
今度は爪を立てられたまま、脇腹まで指が降りてきた。
さっきとはまた違うくすぐったさで下唇を噛む。
脇はもう大丈夫です、と言ってしまおうか?
美樹は真剣に悩んだ。
でも、さっき弱くしろ、なんて言った以上、これ以上言うのはクレーマーみたいでできなかった。
また、脇の下こしょこしょマッサージが始まる。
そして、つうっ~と、脇腹を撫でられる。終わらない、地獄のような時間だった。
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