第4話 対・自然な出会い
それから数年が経ち、
天の精霊の下で育つソライは、あと少しで
”
育ての親ともいえる赤い
旅の事前練習として近くの村を見て回る事を許していた。
多くの村の女の子に会ってはいるが、
そう簡単に”
今日は少し手近な所で、自分の住む天界の真下、
一番近いモッカ族の
大きな森に囲まれたモッカ族のモッカレイ村には小さい澄んだ湖があり、
湖の周りには大きな葉っぱと大きな花が特徴のロレイカが咲き乱れ、
美しい景色が広がっていた。
湖の上に差し掛かるとロレイカの花と葉っぱを器用に重ね、
皿状にした上に寝そべり水面を漂っている子供を見つけた。
「そこの子供、随分気持ちよさそうだな。」
空を浮遊しながらソライは思わず、そう声をかける。
「私はニイルっていう名前よ。男の子みたいな名前だけど・・・。
あなたこそ、のんびり空を漂っているだけじゃない。」
思いの外、気の強い返事が返ってくる。
ソライは、何かこいつ生意気で可愛いなと
思いながら、急降下して水面ギリギリに舞い降りた。
少女の服装は、胸元は小さな紐で結ばれ、
腰には様々な装飾が織り込まれた色鮮やかな布紐を巻き付けた
ワンピース状の服を纏っていた。
今まで行った村の少女と同じ様な素朴な恰好であったが
大きな瞳が印象的で何か特別な輝きを放っている感じがした。
生意気な返事へ笑いながら答えた。
「ああ気持ちいいさ。俺はソライ、
お前を気に入ったよ。友達になろうぜ。
俺は天の事しか知らないから、地上の事を教えてくれよ。」
ニイルと名乗ったその女の子は空から降りてきた男の子を観察した。
村の少年たちとは明らかに違う姿と服装だ。
自分より少し背が高そうで水色の髪を持ち、
淡いベージュがかった白い簡単な布を繋いでいる感じで
白く細い腰ひもで結ぶ簡素な出で立ちをしていた。
足元は生成りの硬そうな布を繋ぐだけの簡単な布で覆われている。
それだけ見て取るとニイルは少年に返事をした。
「ソライ、かっこいい名前ね。いいわ、
友達になりましょう。鳥人間さん」
「俺は人間じゃない、半精霊だ。
お前もそんな花に乗っかって、精霊みたいな感じだけど。」
「私?私は人間よ、ただ変人なんだって、
だから人間の友達はできないけど・・・。」
口ごもり沈みそうな気持ちを奮い立たせて続けた。
「でも、でもね、森の仲間は沢山いるのよ・・・。」
言い訳をしながら、村の言いつけを思い出す。
「あなたは精霊なの?じゃあソライ様って呼ばないと村長に怒られちゃうわ。」
「じゃあ、俺はニイル様って呼ぼうかな~。」
四角張るニイルの提案に笑いながら冗談を口にした。
「やめて。わかった、私もソライって呼ぶから、あなたもニイルって呼んで。」
人間の女の子で最初からこんなに楽しく話せる事も珍しく、
もしかしたら目の前の子が“
そこで対の
「ちょっと聞くけどさ、白い短剣を持ってないか?」
「白い短剣って何?わからないわ。」
「・・・だよな、そんな簡単に見つからないか・・・。」
少女の答えに独り言をつぶやく。
「え、なんの事?」
「いや、こっちの話だ。」
あわてるソライに気づかず、ニイルは少し寂しそうにつぶやく。
「ソライは、半精霊なのね。私も精霊になりたい。
人間は仲間外れにするからね。」
「仲間外れって何だい?面白い事?」
「あはは ソライって面白い。何でもない。
やっと話せるお友達ができたみたい!
こっちにきて。一緒にロレイカの花で遊びましょ。」
ソライは”
そっちのけで毎日の様にニイルの元を訪れ、
森を散策したり、湖で遊んだりして長い時間を共に過ごした。
ソライは心優しく明快なニイルが大好きになっていった。
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