第9話  ミトコン・オーバードライブ

『ミトコン・オーバードライブ』


夜の工場地帯に、鉄の軋む音が響き渡る。


「ククク……さすがに、もう終わりか?」


廃棄されたコンテナの山に叩きつけられ、鷹宮烈火(たかみや れっか)は立ち上がった。体中がズタボロだ。だが、その口元には笑みが浮かんでいた。


目の前に立つのは、“五影会”の幹部・嶽丸(たけまる)。鋼のような肉体と怪物じみたパワーを持つ男。


「やべえな……あんなの喰らったら普通のヤツなら即死だろ」


烈火は口の中の血を吐き捨てながら、拳を握り直す。


嶽丸は腕を組み、楽しげに言った。


「お前、ただの喧嘩屋じゃねえな。……だが、もう終わりだ。次の一撃で潰してやるよ」


「終わり?バカ言え。ここからが本番だぜ?」


烈火は肩を鳴らし、ゆっくりと息を吐いた。


「——ミトコン・オーバードライブ」


その瞬間、彼の全身が”燃え上がる”ように熱を帯びた。


細胞が沸騰するような感覚。血流が爆発的に加速し、筋繊維が極限まで活性化する。


「——フゥゥゥ……!」


熱気が周囲に立ち込め、地面がビリビリと震える。


「ククッ……なんだ、それは?」


「“加速”だよ。俺の身体が、“限界を突破する”時間に突入したんだ」


烈火は拳を握り込むと、視界が”スローモーション”になる。いや、違う——自分の動きが、常人の何倍もの速さになっているだけだ。


「……ッハ!」


嶽丸が反応する間もなく、烈火の姿が掻き消える。


次の瞬間——


ドガァァンッッ!!


鉄の壁が弾け飛ぶ音が響く。


「ッ……!?」


嶽丸の巨体が吹き飛び、倉庫の鉄骨を突き破った。


烈火は拳を構えたまま、静かに言う。


「テメェの鈍い攻撃なんざ、もう見切ったぜ」


嶽丸が体勢を立て直す暇もなく、烈火はさらに”加速”する。


「いくぞ。——オーバードライブ・ラッシュ!!」


バキィィィ!! ドゴォォン!!


超音速の拳が、嶽丸の体を撃ち抜く。


「ッがァァッ!!」


烈火の拳が炸裂するたび、空気が弾け、嶽丸の巨体が跳ねるように吹き飛ばされる。


烈火の拳はもう止まらない。


「オラオラオラオラオラオラァァァ!!!」


“加速”した打撃が、何十発、何百発と容赦なく叩き込まれる。


殴るたびに骨が砕け、地面が陥没し、鉄骨がひしゃげる。


嶽丸は腕で防御しようとするが、無駄だった。


烈火の拳は”防御不可能な速度”に到達している。


最後の一撃をぶち込む瞬間、烈火は言った。


「——止まれねえんだよ、俺の拳はよォォォ!!」


ドガァァァンッ!!!


嶽丸の巨体が吹っ飛び、コンテナを何十個も粉砕しながら地面に沈んだ。


……しばしの沈黙。


烈火はゆっくりと息を整え、拳を握り直した。


「ハァ……ハァ……クソッ……さすがに、少しキツいな」


ミトコン・オーバードライブの反動が来る。体が焼けるように痛む。


だが——


「ッハハ!やっぱ最高だな!!!」


烈火は笑った。


戦いの興奮、全身に響く衝撃、限界を超える感覚——これこそが、烈火が求める”戦い”だった。


「……次は、もっとヤバい奴とやり合いてぇな」


夕闇に包まれた工場地帯で、烈火の笑い声が響いた。


戦いはまだ、終わらない。



🔥 能力者:鷹宮 烈火(たかみや れっか)

⚡ ソウルギア:《ミトコン・オーバードライブ》

💥 能力:「細胞のエネルギー生産を極限まで加速し、超人的なスピードと破壊力を得る」

🔥 戦闘スタイル:「高速連打×圧倒的な破壊力」で、相手を粉砕するオーバーパワー系バトル!

⚠️ 代償:「使用後、細胞の破壊が進行し、極度の消耗状態に陥る」


🔥 「バトル系の頂点! 爽快感MAXの超スピード・パワーバトル!」

🔥 「敵が反応する前に蹂躙する快感!」

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