ソード・ワールド2.5リプレイ『奈落王国』キャンペーン
イ尹口欠
レギュレーション
◆はじめに
GM:はじめまして。ゲームマスターのイ尹口欠です。今回は小説ではなく、現在進行形(2025年1月時点)でプレイしているソード・ワールド2.5のキャンペーンのセッションの様子をリプレイ形式でお送りします。よろしくお願いします。
ぺこり
GM:本キャンペーンは十年来の友人たちとオンラインセッションを通じて不定期に遊んでいるものです。環境はユドナリウムリリィを使用しており、キャラクターシートはゆとシートⅡを使用している、テキストセッションです。PCとNPC、そして魔物にはそれぞれ立ち絵が用意されており、ワールドマップや背景、おまけに場面ごとに合わせたBGMまでかかります。
キリッ
GM:しかしながら、リプレイには当然、それら多くの要素を削ぎ落とす必要があります。特にカクヨムにおいては挿絵を入れるという機能自体がありません。
しょもん
GM:とはいえ一度くらいリプレイを投稿してみたいという気持ちがありまして。どうかお付き合いくださいませ。
本作は、「北沢慶」「グループSNE」「KADOKAWA」が権利を有する「ソード・ワールド2.5」の二次創作物です。
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
GM:というわけで、まずはプレイヤーたちに提示したレギュレーションを以下に掲載します。これを受けて作成されたプレイヤーキャラクターたちは、次話にて紹介します。さて皆さんならば、このようなレギュレーションを渡されたら、どんなキャラクターを創造しますか?
◆ソード・ワールド2.5『奈落王国』キャンペーン
●アクトトレーラー
ランドール地方でひとつの都市国家が滅んだ。
オルドレーネと呼ばれるその王国は、隣国アイスガルドという人族の国に戦争で滅ぼされたのである。
王と王妃は討ち死にし、オルドレーネはアイスガルドの領土となった。
落ち延びたのは、王位継承権第一位の王女とその家臣数名、そしておびただしい数の領民たちであった。
ランドール地方では難民を受け入れる余裕のある国はない。
次々と餓死していく民に心を痛めながら、自分たちを受け入れてくれる国を探し放浪の身となった王女一行。
転機は、突如として現れた〈奈落の魔域〉だった。
オーロラが瞬き、気がつけば真っ黒い闇が爆発的に増大し、王女とその一行、民たちをすべて飲み込んだのだ。
些少な戦力しか持たない王女一行の命運は尽きたかに思われた。
しかし、なんと〈奈落の魔域〉の中にはかつてのオルドレーネの街並みが広がっているではないか。
訝しんでいる王女たちの前に、ひとりの仮面を被った男が現れて告げた。
「ここを汝らの王道楽土とせよ」
かくして無限にも思える広大な〈奈落の魔域〉の中に、かつての暮らしを取り戻すことが叶った。
しかしオルドレーネの街と城はかつてと同じでも、周辺の地形は見覚えのない景色。
恐らくは魔神の跋扈するその〈奈落の魔域〉で、民の生活を守り無事に王国を存続できるのか?
王女とその家臣たちの戦いの日々が始まった――。
●レギュレーション
PCは高レベルキャラクター作成表(『Ⅲ』72頁)の「5~6」レベルで作成すること。
流派については制限を特に設けない。自由に習得してよい。
PCの立場は女王直属の特務部隊とし、冒険者ではなく放浪者として扱う。
●PC作成時の要望
・メインスカウトとメインセージをGMのPC以外で担当してもらいたい。
●ハウスルール
・二つ名に消費した名誉点を冒険者ランクに当てはめて、ウォーリーダー技能の効果範囲とすることができる。もし複数の二つ名を持っていた場合、最も高い名誉点を消費している二つ名で判断する。
・アビスボーンの[奈落の落し子]のアビスカースは奈落の魔域内で常に効果を発揮するものとする。
・一般技能の成長ポイントは、リザルト時に+2点固定とする。ガメルや経験点は得られない。
●オルドレーネ王国について
ランドール地方にある中堅の都市国家。
政治は王政だが、実際に政務を取り仕切るのは宰相と大臣、そして貴族らからなる議会である。
オルドレーネ王国の興りは300年前の〈大破局〉に遡る。
蛮族と魔神たちから逃れ、集った難民たちが英雄カールブラント・オルドレーネをリーダーに祭り上げたのが始まりとされている。
カールブラントは今は失われた魔剣ソウルイーターのチカラを解放し、蛮族と魔神を退けたと言われている。
そうして国家の体を成した都市の初代国王となったカールブラントは、都市に自らの名を冠するオルドレーネ王国と名付け、防衛に重きをおいた軍事力を整備した。
以後、オルドレーネ王家を頂点としたオルドレーネ王国が、アイスガルド王国に戦争で敗北するまで300年に渡り存続することになる。
なお国家としては凡庸で、特筆すべき部分はない。
軍事、経済、外交、いずれも周辺国家と遜色ないとはいえ、突出した得意分野を持っていなかった。
ともあれ300年間、何も問題なく国家が存続していたことから不得意分野もまた、なかった。
●アイスガルド王国との戦争について
領土的野心を起因とするアイスガルド王国からの一方的な侵略戦争である。
防衛に重点を置いていたオルドレーネ王国だが、アイスガルド王国の迅速な進軍速度に防衛の準備が間に合わなかったのが敗因である。
もしもオルドレーネ王国の防衛準備が間に合っていたならば、防衛に徹するオルドレーネ王国をアイスガルド王国は崩すことができず、恐らく停戦に持ち込めただろう。
しかしそれをさせなかった、奇襲じみた戦争に持ち込んだアイスガルド王国の作戦勝ちとも言える。
いずれにせよオルドレーネ王国は陥落し、王女ヨルと少数の家臣団、そして多くの難民を逃して滅亡した。
●奈落の魔域
非常に広大で、果てが見えない。〈奈落の核〉もどこにあるのか不明。
オルドレーネ王国の外側には魔神が徘徊しており、非常に危険。生存圏を広げるため、もしくは国防のために、魔神討伐の依頼が王城に舞い込む。
幸いにしてオルドレーネ王国周辺の河川の水質と土壌、気候はラクシアと変わらないため、農村もそのまま使えている。
●主要NPC
“魔域の女王”ヨル・オルドレーネ(人間/女/14歳)
奈落の魔域に新たに建国されたオルドレーネ王国の女王。ハルーラ神官でもある。
周囲の家臣や民を不安にさせまいと気丈に振る舞っているが、その心中は穏やかではない。
“若輩の騎士”ハムラ(ナイトメア/男/18歳)
近衛騎士団で最も若いことから、王女の護衛に抜擢された騎士。真面目だが自分に今ひとつ自信が持てない様子。
新生オルドレーネ王国では騎士団と衛兵の取りまとめ役をしており、治安維持と国防を考え指揮する立場にある。
“商人ギルド長”カニーナ(メリア長命種/女/65歳)
城の文官に代わり、食糧を含む物資や国庫の管理をしている。水と食糧不足が目下の悩みの種。
鍛冶師ギルドや魔術師ギルド、マギテック協会などと連携して、冒険に必要なアイテムを売買してくれる。
“静謐なる”ニネット(シャドウ/女/39歳)
冒険者ギルド『静かなる白鳥亭』のギルドマスター。冒険者は戦争の折に国を離れたため、仕事をこなす冒険者を民から募集中。
優先度の高い依頼を貴族議会に提出することで、危険度の高い問題の解決を国家に委託している。
“仮面の男”???(不明/男/不明)
奈落の魔域内で自由を謳歌する謎の人物。人族なのか蛮族なのか、はたまた魔神なのか、謎に包まれている。
神出鬼没で、普段はどこで何をしているか分からない。しかし必要なときには現れ、進むべき道を標す。
●新生オルドレーネ王国の体制について
国王、宰相、各大臣を失ったため、政治的に混乱している。
貴族議員は半数ほどに減ったものの、跡取りとなった若い貴族らを議員に加えて、規模は旧議会の3分の2ほどの定員となっている。
軍事は近衛騎士団長のハムラが取りまとめているものの、経験不足は否めず、そもそも兵力が足りないため国防に支障をきたしている。
そのため民間の自警団が結成され、老人と子供を除く国民全員が一丸となって武器を手に取っている。
国家財政は商人ギルドが一手に担っている。
職工ギルド(魔術師ギルド、マギテック協会を含む)は商人ギルドの発注を優先して生産活動に勤しんでいるが、物資の不足が問題となっている。
外交は今のところ行う先がない。
冒険者ギルドは周辺の魔神を狩ったり街中の雑事を手伝ったりしているが、人手不足にあえいでいる。
周辺の地形の確認などは盗賊ギルドが斥候を放って独自に調査をしているが、すべての情報を国家と共有する気はなさそうだ。
学院の教員が減ったことから、貴族学院と王国学院はほぼ合併に等しい状態にある。
神殿も戦争で高位司祭を失っているため、若手が信仰を説き民心を慰めている。
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