地学実験室に集う放課後

坂東アルゴ

プロローグ

199X年——。


今や政務官を務める国会議員が、

沖縄出身のアイドルダンスユニットのボーカルとして活躍していた頃。


北関東の地方都市にある、進学校での話。


その頃、スクールカーストなんて言葉はなかった。

けれども、当たり前のようにカーストは存在していた。


放課後、

グラウンドではサッカー部が声を張り上げ、

体育館ではチアリーダーが笑顔でジャンプを決める。


彼らが、学校の中心にいた。


そんな中、

学校の隅にある科学棟では、

別の時間が流れていた。


地学実験室。


そこには、

天体望遠鏡を整備する者。

天体写真を整理する者。

ラジオを聴きながら天気図を作成する者。

ひたすら石を磨く者。

採集した昆虫で標本を作る者。

無線機を使って何やら怪しい電波を拾う者。

そして——ただ、なんとなく居座る者。


これは、そんな連中の話。

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