ゲーム感覚 孤独な蠱毒
桃月兎
第1話 強制招待状
帰宅直後、自宅の机上に書き置きらしき物が置かれている。
用紙を手に取り、内容を確認する。
『東西野ガイゾウ様、あなたは参加者に選ばれました。拒否権は御座いませんので、御了承下さい』
文章はこれだけだ。
何だこれは? 何の競技の参加者に選ばれたのか書いてないぞ。
直後、眼前に黒い穴が出現し、全身丸ごと吸い込まれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目を開けると屋外だった。
足元には土があり、何故か通学用の運動靴を履いている。
どうやら、黒い穴を通って、瞬間移動したみたいだ。とは言え、そんな技術は現代の日本では不可能だ。つまり、未来の技術か、宇宙の技術、若しくは人類を超越した
より高次元の存在の技術だな。ただし、手紙の送り主と転送技術の使用者が同一であるとは限らない訳だが。
一旦状況確認をしよう。
ここが何処かは不明。一見すると日本の住宅街にも見えるが、電信柱はあるが電線は無いので、恐らくは意図的に作られた街並みだ。映画のロケにでも使えそうな精巧な出来ではあるが。
服装は帰宅時のままの詰め襟の学ラン姿で、鞄は無し。
咄嗟に鞄を持ち出せていれば安心感が天と地程も違ったんだろうけど、無いものねだりをしても仕方ない。それよりも先刻から目にゴミが入ってるのかな? 何か白い点がチカチカしてるな。
白い点を意図的に注視したら、空中に半透明の白い文字が浮かび上がった。
『この文章は東西野ガイゾウ様、あなただけが見る事が出来ます。
他の参加者と戦い、殺し合い、最後の一体になるまで競技は続きます。
競技終了後、死亡者は競技参加前の姿で生き返ります。
制限時間はありません。
参加者同士の会話、文章は自動翻訳されるので、意志の疎通は可能です。
最後まで生き残った一体(優勝者)には莫大な財産、一番最後に死亡した参加にはかなりの財産が進呈されます。競技参加にはそこそこの財産が進呈されます。
競技の進行具合に拠ってはルールが追加される場合があります』
文章を合計三回読んだ。
ゲームで言う所のメッセージウィンドウだね。
左上の白い点に注視したら、半透明の文字が白い点に収束した。
再度、白い点に注視すると、文字が出てきたので、注視で切り替わる仕組みのようだ。文字は収めておいた。
成程ね、死者蘇生なんて事が出来るのは、予想通り、未来人か宇宙生物か神だね。
しかもこの催しは今回が初めてじゃないな。膠着した場合は侵入不可能なエリアを設定して、ハリケーンや雷を落とすんだろう。この競技の様子、撮影されてて、放送されてるんだろうな。恐らくは、オッズが設定されてて、賭けになってる筈だ。面白い、そうならそうで、その環境を利用させて貰うだけだ。制限時間が無いって事は、短期決戦はあり得ないから、何処かに食料が配置されてる筈だね。先ずは食料の確保が最優先。その次が武器の入手。観客或いは視聴者が居る以上、武器の提供は画面映えとして必須だからね。ただ、武器が刀や剣類、ピストル類か、光線銃なのか、或いは全部なのか、それによって戦略が大きく変わるよな・・・・・・それ以前に他の参加者の種族が分からない。勝手に対人戦を想定してたけど、魔物や怪物、ロボット相手の可能性も充分にあり得る訳だ。他に気にすべき点は、フィールドの大きさを早目に把握したい所だな。
多分だけど新着情報があった左上の白い点が点滅する仕組みだろう。
食料を入手する為に、手近な住居に向かった。
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