3-13

ガタガタッ…と机の動く音が静かな教室内に響く。

抵抗する間もなく両手首を掴まれて机の上に押し倒されると…身動き出来なくなったアタシの唇を夕微が親指でなぞる。


「こいつが言わねえっつうなら…他のやつに聞くしかねーよな?」

「なに…言って…」

「例えば……こことか」


つ…と唇から首筋へと降りた指が、シャツの襟元をめくって胸元を指す。


「っ…!!」

「それとも歩はここも弱いから…こっちにするか?」

「あっ……やぁ…」


言われたのと同時に耳たぶを舌で舐め取られビクッと身体が反応する。

やだ……こんなの……!!!!


顔を歪ませて助けを求めるような顔で夕微を見てみるけど


「…っ…ぁ」


味わうみたいにもっと舐められて言葉を失う。


「その顔、逆効果だから」

「…そんっ…な…ぁ」

「話そうとしないお前が悪い」

「……っ」


夕微の熱い息と、舌が、アタシの耳を支配する。


「ま……待って……!!」


そうは言っても止まってくれるはずもなく、アタシは何とか言葉を続ける。


「そっちだって……夕微だって言ってないことあるじゃん……!!」

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