第40話

お二人もそれを追うように一歩踏み出すが、立ち止まったのは蓮先輩で。



「じゃあな」

「あ、はい」



わざわざ、私の目を見て挨拶をしてくれた。

舞い上がってしまうのをなんとか抑えて、冷静にぺこりとお辞儀をした。

もっと、笑顔のほうがよかったかもしれない。



「また、あした…です」

「あぁ」



なんとか絞り出した言葉に少しだけ笑みを返してもらえて、ドキンと心臓が跳ねる。


今度こそ歩き出した三人の足をまたも止めたのは、今度は空から降る雨の仕業だった。



「…あ」

「雨?」

「まじかよ」



パラパラと降ってくる程度の雨だったけど、このまま家まで帰ろうとしたらかなり濡れてしまうだろう。


確か予報では夜は本格的に雨になるって言ってた。

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