第73話
そんなイトカを社長が止めに入った。
「やめろ。あの人に何を言っても無駄だ」
険しい表情でピシャリとアウト。本当に金我には頭が上がらない事が伺えた。それでもイトカは言う。
「すみません……例え社長命令でも、今は聞けません」
神妙な顔つきで言い残し走って追いかけた―――
我が物顔で踏ん反り返る金我にオフィスビル内の誰もが頭を下げて道を譲っているが、イトカはそんな事は気にしない。
「金我様ッ どういうおつもりですかッ!?」
興奮で呼び止めた声が大きくなってしまい、まわりの人々が目を丸くして驚いている。
「社長の婚約者殿。何の話かね?」
「惚けないでください! 社長の後任だなんて……会社を乗っ取る気じゃないですかッ」
「……なんだと?」
イトカの言葉が逆鱗に触れ、金我の表情は一瞬にして厳しい目つきへと変わる。
「乗っ取るとは失敬だな。キミのような小娘にはわからないだろうが、今の柴永取締役社長の信用は失墜している。早かれ遅かれこうなる運命。もはや誰にも止められない」
衝撃が走った―――
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