第17話

一瞬にして思い出したそいつは



目を真っ赤にして、



あの時見せた柔らかい笑顔が消え失せていた。



「なにかあったのか?」



思わず口に出た言葉。



こんなにも変わった理由が知りたくなったのと、



こんなに変わった原因に訳も分からず腹が立った。



これ以上コイツが泣くのを見たくなかったのと、



また、笑ったコイツの顔が見たいと思った。



あの日のようにオレの後ろをついてくるコイツを



埠頭に連れて行こうと思ったのは



オレ自身で守りたいという



気持ちの表れだったのかもしれない。

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