第15話
別に、アイツにもう一度会いたいなんて、
思っていなかったのに、
あれ以来、オレはバイクに乗るのを止めていた。
この交差点を歩いていれば、いつか会えるかもしれないという変な期待は
持って無いはずなのに、
気付けばオレの足はいつもあの交差点に向かっていて、自分でもよくわからない行動に悩まされ続けた。
あの日以来、オレのポケットにはコバルトブルーの手袋が入っている。
無意識の内にそれを埠頭で出して見つめていたらしく、
アイツらは手袋を貰った持ち主についてしつこく聞いてくるようになった。
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