第5話

「なんだか、逃げられない感じで、友達に約束を取り付けたと言ってしまったんです」



「……」



「でも、そんな人、来ないんです。約束すらしてないんです。声すら掛けていないんです」



「で?」



「あの…少しでいいので、あっちの映画館に向かって、一緒に歩いて貰えないでしょうか…。友達の視界から消えるまででいいので…」



カタカタ震えているそいつはもう限界なのかもしれない。



そうだろう。



オレだってこんな所に1時間も待たされれば確実にキレるだろう。

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