第69話

「え、なに?」



海と空で測って、佐々木がそれを記録する。



「いいから、いいから」


「あと、颯斗と暁だけなんだから」



そう言って、てきぱきと測っていく。



「はい、いいよー」



測り終えると、3人は話し合いを始めた。




え、これだけ?


別に今じゃなくても夕方で良かったじゃん…と思いながら、帰ろうとすると後ろから市川に引き止められた。



「…おい、どこに行く」



「え?もう終わったんじゃないの?」



「…あれ」



市川は、指を差して言う。



指を差した方を見ると、原野がソファーに座って頭を抱えていた。



「…これ?」



原野を指差して市川に聞く。



「…それ」





原野の近くに行くと、ぶつぶつ何か言っていた。



「なんで…なんで合わないの…」



「…原野…?」



横からそっと声をかけた。


ゆっくり俺の方を向く原野。



「…はやと…」



「どうした?」



いつもとは違う雰囲気の原野に優しく聞いてみる。



「助けて」



原野は俺に書類と電卓を渡すと「もう嫌だぁぁぁ」と言いながら、倒れ込んだ。



「ちょ、え!?」



「僕らの代わりに会計の仕事してるんだけど、計算が合わないんだって」



倒れたまま起き上がってこない原野に代わって、空が書類と計算の仕方を説明する。



「この計算、よろしくね」



にこっと笑って部屋を出ていく空。



あの、俺も自分の仕事あるんですけど…

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