第41話

「もう教室に入れないよ…」


「ねえ、碧ちゃん。男の子との距離には気を付けるのよ?」


「え、何?何の話?」


「付き合っても安心できないわね…」


「だから何の話」


「鈍感な子が相手だと、大変ね」




やれやれと首を振っているおーちゃんに首を傾げていれば、気にしないで、と笑われてしまった。



全く話が分からない。何の事を言っているんだ。


おーちゃんってちょくちょくそう言うところがあるよね。




「ふふ、幸せだな」




考えていればおーちゃんが言った。




「本当?」


「勿論」


「じゃあ、私も幸せ」


「えぇ?」


「おーちゃんが幸せなら私も幸せ」


「もうどうしてこの子はこんなに可愛いのよ」


「うふふー」




そう笑い合う私達はきっと学校一のバカップルだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る