第22話
「言ってもいいけど、本当に玉砕しか想像できないからさ」
「そっか。私は碧がそれでいいなら何も言わないけど」
「……でもやっぱり彼氏彼女になって堂々とデートするっていう夢はあったりする」
「結局どっちよ」
「分からないんだよおおおおお」
「はは、碧は今日も悩んでるね」
唸っていれば斜め前の席の馨が今日も爽やかに言った。
「馨君。恋する乙女は日々悩み事だらけなんだよ」
「へえ、そうなんだ。で、誰が乙女?」
「私だよ!流石にそこ訊いてくるは思ってなかった!」
私のツッコみに、ははは、と爽やかに笑っている。
くそう。そうやって爽やかに笑うからファンも何気に多くて敵に回したくないから良平みたいに強く言えないんだよ。
ある意味、馨は私の弱みみたいなものだ。
しかし、そんなことを言うと調子に乗るから黙っておく。
「それより碧、今日は行かなくていいの?」
「……憂鬱すぎて無理」
汐里の不思議そうに訊く言葉に机に突っ伏して答えれば隣から怠そうに言い放たれる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます