二
私はてんてん堂の店主、水島千代です。主人は店のパン職人、水島泰三です。
今日はよく降りますね。もう何度目の雪かきでしょう。見習いの小宮山太助がよく働いてくれて助かります。
「おかみさん」
太助が首に巻いた手ぬぐいを取りながら店に戻ってきました。
「これ! これ!」
見れば、赤い手袋の片方です。
「これ! 山田さんのお嬢さんのですよね!」
お隣のお嬢さんは、うちのあんパンがお好きで、よく寄ってくださるんですよ。
「ええ、さっきいらっしゃったわねえ。見覚えがあるわ」
「いってきます!」
お隣ですから、万一お嬢さんの手袋ではなくともおかしなことにはなりませんけれども、太助はどうもそそっかしいので、大丈夫でしょうか。あんなに顔を赤くしてあわてて飛び出して行きました。
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