第2話 依頼
「依頼が届いたぞー!」
ボスとのゲームが始まっても、俺らの仕事はまだ続く。今回の依頼は、罪人の情報のみが記された謎の依頼状。
罪状:人および金品の窃盗、不法侵入、器物損壊
基本情報
罪人:荒川 新樹(アラカワ アラキ)
菱川 良並(ヒシカワ リョウヘイ)
年齢:45歳
性別:男性
住所:不明
留意点:追加の死神あり
俺は依頼状を見つめ、口元に微かな笑みを浮かべた。 「へぇ、助っ人の死神か。」
(もうボスからの刺客か?それにしては準備が早すぎる。)
サイが冷静に言った。
「めずらしいわね。ななに入るのかしら。」
「いや、まずはどこかのグループに属しているかも分からないだろ。」
「まぁ、こちらから出す死神は一人でいいか。」
チラッとメンバーがいるリビングを覗くと、
「無理ー!」
ガオが即座に拒否。
「遠慮します。」
サイも静かに拒絶。
「任せた。」
フミは一瞬で責任を放棄。
「この面が…」 ナトはゲームに夢中でぜんぜん話を聞いていない。
「おし!ナト行ってこい!」
少し強引に俺はナトの首根っこをもって引っ張り上げる。
「すみません、勉強します。」
ナトは我に返ったのか、即座に謝った。でも、
「勉強しなくても、お前はいつも満点だろうが。」
ナトは俺に連れ出され、観念した。
「…はい…」
みんなで「いってらっしゃーい!」と声をかけた。相変わらず虫のいい奴らだ。
夜のマンションの屋上。
ナトが情報確認をしていた。
「505号室か。結構いいところに住んでんな。おかげで潜入が難しかった。」
突如、背後から声が。
「ねぇねぇ!」
ナトは驚き、振り返ると、コウモリの翼を広げた少女がいた。
「お前が追加の死神か?」
「うん!私、チカ!コウモリなんだー!」コウモリ…生物から発展させた能力か。厄介だな。
「おい、そんな簡単に自分の能力を相手に知らせんな。馬鹿なのか?」
俺は、少女を煽ってみた。
「馬鹿じゃないもん!私だってそれなりにできるんだからね!」
少女はえっへんと胸を張った。でも、その姿には隙があまり見られなかった。まぁできるのだろう。
「で、今回の罰と作戦はどうする?今回はそんな重くはならない罪だろう。」
「とっ捕まえて、すこーし痛いことするだけかな。」
「顔は見られるなよ。」
「そんなの分かってる!」
窓が開き、俺とチカは侵入。俺の能力は
俺能力で二人の目を近くの布で覆い、椅子に縛りつける。
「な!なんだ!?」「どうなっているんだ!」
「静かにしてください。」
俺は、死神としての威厳を保ち、素性を隠すために、口調を変えて話した。
「…!」
「我々は死神、あなた方に罰を与えに来ました。」
「殺しはしないよー。」
チカは全く緊張感のない声で言った。
「死神だって!?俺ら、ちょっと盗みを働いただけじゃねーか!」
「何言ってんだ。人に恐怖を植え付けることがどれだけ罪深いか分からないのか。」
俺は決まり文句を言ってから、静かにに告げる。
「少し痛みを知ってもらうだけです。では、始めます。」
数十分後
壁を登るナトと、コウモリの翼を背中から出し、夜空の中を飛ぶチカ。
「終わったな。」
「当分あれは動けないよねー。」
「ちゃんと手加減できるんだな。ただの考えなしだと思っていたのに。」
「そんなことないって言ってるでしょ!それに、殺したっていいことないもん…。」
俺はふと目を細める。チカの言っていることが理解できたからだ。
「俺らは、あと五年で事務所を抜ける。その時にお前も一緒に抜けないか?」
「なにそれ!初耳なんだけど!」
「事務所内の情報くらい、ちゃんと知っとけよ…。」
俺はこいつと話していると、不思議と気がゆるんでいた。
「まぁいい。気が向けばアジトに来い。ななグループはお前を歓迎するだろう。」
チカはぱぁっと顔を輝かせた。
「いいの!?私、グループ入ったことないんだよねー!だから、考えとくね!」
(また賑やかになるな。ガキが増えるのか…。サイ、レン、ごめんな。)
俺は心の中でそうつぶやいた。
筆者から
読んでいただいてありがとうございます。小説の投稿についてなのですが、不定期になると思います。また、作品をよりよくしたいので、感想やアドバイスをしてもらえると幸いです。これからもよろしくお願いします!
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