仁義なきテレビショー

ムーゴット

とにかく人命第一で。そこから次につながるはず。

あんさん、うちの組長との面会に、その服装は無いわ。

そう、せめてスーツで来てと、話しておいたわな。

礼儀を知らんやっちゃな。


そう、おたくらの抗争、終わらせたいんやろ。

うちの組長がうた通り、お宝献上してもらわんと。

これまで、あんさんとこには、

先代の時から、ぎょーさん貸しがありますがな。

お宝でも頂かんと、組のもんにも示しがつかんで。

まずは、言葉でも礼を頂かんと。


何!?まだこれからも鉄砲が欲しいと?

あんさん、まだ抗争を続けるつもりか。

そんなんでは、まだまだ人が死にますやろ。


うちの組長が、彼奴あやつと話をつけて終わりにするから、

その後は、あんさんのお友達の遊郎連合にでも頼むんだな。

うちの組は、そこまで面倒見きれんわ。


うちの組のもんが、あんさんとこのお宝を扱うから、

彼奴あやつかて、そうそう簡単には手を出せなくなるはずや。

彼奴あやつに盗られたシマは、もう諦めるんだな。


何!?仁義はあんたらにあると言うのか。

そんなことうとったら、さらにシマがなくなるぞ。

ここで手を打つから、彼奴あやつを交渉に引きずり出せるんや。

あんたのわがままは聞いとれんな。

『正義』なんちゅうもんは、人それぞれや。

うちの組長にまかしとき。悪いようにはしやせんよ。

誰でも自分たちの組が一番やろ。

お互い様とか、助け合いとか、もうそんな時代やないんや。

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