第7話 『ありがとう、アサコ』


今日は成田国際空港でお出迎え。

お出迎えはカジワラさんを筆頭に

1班がワタナベさんとイノウエさん、2班がタカヤマさんと私の2チーム。

後は車両で待機。

ファーストクラスでご到着はマル対「ジャン=クロード・オリビエ」 奥様「ローレン・オリビエ」娘「ルイーズ・オリビエ」の3名。

通常の出入り口ではなく、VIP用なのか特別ゲートでお出迎えなんだね。

お金持ちって凄いね。

タカヤマさんも英語は話せるけどフランス語は厳しいとの事で私が主に奥様につく感じ。

通訳も兼ねて問題無いとの事で手配した通訳はキャンセルしてもらった。

イノウエさんもフランス語行けるらしい。流石イケメン(先入観)。


『ようこそ、日本へ、ミセス・ローレン、ミス・ルイーズ。

ご案内と警護を担当します、タチバナとタカヤマです。

私、タチバナが通訳を兼任します。』

『よろしく、ミス・タチバナ。』『よろしくね、ミス・タチバナ。』

ルイーズちゃん5歳、可愛い。

『ルイーズ、パパはお仕事に行ってくるね。今日はディナーを一緒に食べよう。東京を楽しんでおいで。ダーリン、ディナーには戻るからよろしく。』

『パパ、お仕事行ってらっしゃい。ママと待ってるね。』

『ジャン、ディナー楽しみにしているわ。』


成田から車両分かれて別々のスケジュールで移動開始。

まずは、奥様とルイーズちゃんはホテルに荷物を運びこんで休憩。その後、都内をショッピング&取材対応。

フランス系ファッション雑誌の取材だって。流石人気コメンテーター。

『ミス・タチバナ、フランスは何処に居たの?結構詳しいわね。』

『パリ大学に居ました。奥様もテレビで拝見しておりました。』

『そうなの?どう?本物を見て。』

『テレビで見るよりも素敵です。』

『嬉しいわね、日本の方にそう言ってもらえると。』

うん、意外とフレンドリーなミセス・ローレン。

ショッピングも雑誌の取材に関連しての内容で取材込みみたい。

ルイーズちゃんと手をつないで取材を受けているのを待つ。

『ミス・タチバナ、この後は日本のスイーツが食べてみたいの。』

『何か希望はありますか?』

『日本の伝統的なお菓子を食べてみたいの。』

『伝統的な和菓子ですか?』

『パリで食べられないモノとかが良いな。お友達に紹介してあげたいの。』

『ミセス・ローレンにも聞いてみましょうか。何かご存知かもしれませんね。』


『ママ、日本のお菓子が食べてみたいの。』

『ふーん、ミス・タチバナ、何かあるかしら?』

『ルイーズさんは何かアレルギーや苦手はございますか?』

『特に無いわ。ルイーズはフルーツが好きね。』

そうか、和風でフルーツ好きならアレかな?

「タカヤマさん、いちご大福とかがある和菓子屋でVIP対応出来る所ありますか?」

「そうだな、個室ありで行けるのは一軒あるな。」

「連絡取ってもらって良いですか?」

「分かった。」


うん、尊い。

子供は可愛いけどルイーズちゃんマジで可愛い。

いちご大福を頑張って頬張っているの可愛い。

『ミス・タチバナ、このイチゴダイフクと言うのかしら?とてもステキね。初めて食べたわ。パリでも和菓子って頂いた事があるけどシンプル過ぎて物足りなかったから期待していなかったけど、素晴らしいわ。』

『喜んで頂けて光栄です。私も好きなんです。』

『なら、召し上がったら?』

『いえ、流石に業務中なのでこっそり買って帰ってから頂きます。』

『そう、残念ね。でも、このグリーンティーはまたすっきりした苦味で良いわね。この和菓子ととてもいいマリアージュね。』

ミセス・ローレンもいい気分転換になって頂けたようだ。

『それでは、一度ホテルに戻られる予定でよろしかったですか?』

『そうね、ジャンの予定も順調ならディナーに丁度良いタイミングになると思うわ。』

『了解しました。』

順調、順調。


『ミス・タチバナ、気に入られちゃったわね。』

何故か、ルイーズちゃんが私と一緒にいたいと我儘言ってホテルの部屋で同席している。

今はソファでうつらうつらしている。

『ルイーズの相手をしてくれてありがとう。仕事中はこの子はどうしても一人になってしまうから、今日はとても楽しそうで本当に嬉しいわ。』

『光栄です。ありがとうございます。』

『今回はあなたが居てくれるなら助かるわ。日本にいる間よろしくね。』

『お任せ下さい。』


「タチバナ、この後の予定が変更になるらしい。」

「どうしたんですか?」

「マル対が相手とディナーになるみたいだ。」

「大丈夫なんですか?」

「今からだから時間はギリギリだな。」


『ミス・タチバナ、ジャンから連絡があったわ。ディナーはキャンセルのようね。』

『我々にも連絡がありました。どうなさいますか?』

『ルイーズが機嫌悪くなってしまったのよ。どうしようかしら?』

『ルイーズさんの好きなものを召し上がるのは如何ですか?』

『変えられるの?』

『ご希望に叶うか分かりませんが、やってみます。』


『それなら”SUSHI”を食べてみたいの。お友達もパリで食べて美味しかったと言っていたわ。』

『寿司ですか、ちょっと確認してみますね。』

『私も、それなら楽しみだわ。』


「タカヤマさん、どうしましょうか?」

「カジワラさんに聞いてもお店は知らないだろうな、警護可能な店舗のリストを出させてくれ、可能な先を本部で当たらせよう。」


『日本の老舗の寿司店です。ミシュランTOKYOで2つ星です。』

『そんな所に行けるの?大丈夫なの?』

『たまたま空いてたみたいです。』

部長が今日も席を取っていたみたいで快く譲って頂いた。


『すごーい、これが”SUSHI”ね。キレイね。』

『パリで頂いたのよりも美しいわね』

『マダム、ありがとうございます。』

『あら、マスター、フランス語もお出来になられるの?』

『挨拶程度ですが、本日はようこそお出で下さりました。』

『楽しみだわ。』

ルイーズちゃんが美味しく食べてくれて嬉しいのだが、他人の食べているのを見るのがこんなにつらいとは思わなかった。


「アサコちゃん、連続のご来店ありがとうございます。」

「やめて下さい。女将さん、食べれなくて辛いんですから。」

「あら残念。少し賄いでも出そうかと思ったんだけど。」

「嬉しいんですけど仕事なんで我慢します。」

「分かったわ、また来てね。」


『ミス・タチバナ、今日は本当にありがとう。初日からこんなに楽しいのは久し振りね。ルイーズも大満足ね。』

『ねぇ、ミス・タチバナ、ファーストネームはアサコって言うの?』

『あれ?どこかで話しましたっけ?』

『さっきお店のマダムと話していたでしょう。その時に彼女が言っていたわ。』

『良く分かりましたね。私の名前は、アサコ・タチバナと言います。』

『アサコって呼んでも良い?』

『良いですよ。』

『なら、私もルイーズって呼んで!』

『よろしいですか?ミセス・ローレン?』

『本人がそう言っているし、私もその方が嬉しいわ、アサコ。』

『分かりました。ルイーズ。』

『ありがとう。アサコ。』


『お帰り!パパ!今日は凄いの。日本のお菓子も日本の”寿司”も食べたのよ。どっちも美味しくてキレイで楽しかったわ。』

『そうなのか。良かったね。パパもルイーズと一緒に食べたかったよ。』

『パパがお仕事だったからでしょ。でもまた今度一緒に行きましょうね。』


『ミセス・ローレン、それでは本日はお休みになられますか?何かお手伝いする事は?』

『私達も休むことにするわ。今日は本当にありがとう。明日からもよろしくね。』

『ミス・タチバナ、僕からもありがとう。ルイーズもご機嫌だったよ。助かった。明日からも頼む。』

『光栄です。ではまた明日お迎えに上がります。』


ふー、やっと一日目が終了かー。

まだまだ、先は長いなー

「タカヤマさん、お疲れ様でした。」

「タチバナもお疲れ様。」

「取りあえず本部で報告してからですね。」

「そうだな。」

「2回位こちらの動向を伺っている車両を見ました。」

「タチバナは流石だな。良く気付いたな。」

「ミセス・ローレンをチェックするポジションに居たので確認出来ました。今すぐと言う感じでは無かったですね。でもスケジュール把握されていそうですね。」

「確かに、予定変更した時は慌てていて分かりやすかったからな。」

「それは見えてませんでした。でもいつ来ますかね?」

「日程の後半、旅行の時だろうな。」

本当に先は長い任務になりそうだ。




チームリーダーにカジワラさん

1班がワタナベさん、キタガワさん、アオキさん、イノウエさん

2班がタカヤマさん、ハラダさん、サカタさん、タチバナ


警護対象 ジャン=クロード・オリビエ フランスの外交関連のVIP 昔の貴族の血筋で資産家 政府の依頼で外交や貿易での折衝役を担っている 国の代表ではないので警察の警護が付けられないので民間のボディーガードを依頼している。

奥さん  ローレン・オリビエ  フランスで人気の政治コメンテーター 厳しくも現実的なコメントで人気を博している 結婚している事は公表しているがあまり夫と娘の事はあまり露出させていない。

娘    ルイーズ・オリビエ  可愛い。


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