第17話
「その水を水盤に入れよ」
侍女に告げると、大きく窓を開け、外の月桂樹へと手を伸ばす。
そして月桂実をひとつ、もいだ。
動転している侍女の震える手が、月の石でできた透明に美しい水盤に水を注ぎ込む。
夜輝天女は脇差しから滴る夜叉姫の血液を月桂実の上にぽたぽたと垂らす。
そして、次に自分の手のひらを脇差しで軽く傷つけ、しっかりと月桂実を握りしめた。
夜叉姫と夜輝天女の血が混じりあった月桂実は、ぽうっと金褐色に光った。
「・・・・・・うっ・・・・・・」
脇差しの傷口はみるみる塞がり、うめいたかぐや姫に、夜輝天女はそっとかがみこむ。
「夜叉姫。目を覚ますがいい。望みを、叶えてやろう」
かぐや姫は、目を開けないままにかすれた声を上げた。
「・・・・・・望みは。
ただひとつ・・・・・・。
殺して。殺してよ」
光。光。あなたがいない世界で。
私は、どうやって生きていけばいいの・・・・・・。
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