青梅ヶ原クウの非日常〜雛祭編〜
矢庭竜
プロローグ
「先輩って妙なことに耐性ありますよね」
なんてことを後輩に言われたので、私は首をかしげた。
「妙なことって?」
「怪異とか妖怪とか、オバケとか」
「まあ、キツネやカッパが通学路に出る農村で生まれたから多少はね? 都会の子よりかはあるんじゃないかな」
「同郷のよしみで教えたげますけど、先輩がおかしいだけですよ」
こいつ、言いづらいことを面と向かって言うな……。
でも言われてみれば確かに、私は"出会いやすい"タイプかもしれない。小中高と七不思議遭遇フルコンプしてきたし、大学時代に師事していた相手は今考えてみるとヒトじゃなかったし、弟に霊感あるし。そういう星のもと、って奴なんだろうな、きっと。
「で、なんで突然そんな話?」
「そうそう。今メッセージで来た依頼なんですけど――」
後輩は、後ろでくくった黒髪をいじりながら、PC画面から目を上げた。
「先輩んちって、雛人形ありますか?」
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