第5話

 遡るほどでもないけど、本当についさっきの話。






〝お昼休み、校舎裏まで来て下さい〟





 今時、下駄箱に手紙入れて呼び出された俺は、正直言って嫌がらせをされるんだと思った。場所が場所だし。集団リンチをされるのかと。されるような覚えないけど。






「妄想ならこの手紙どうするんだよ」


「自作自演だろ」


「俺がそんなことする奴に見えるのか」


「見えるわけねぇだろ」


「そうだよな」





 もちろん隣に寝ている友人に相談はした。差出人の名前はなかったし。






「だから驚いてる」


「いや違う。そうじゃない」





 こんなことを言う友人だけど、心配はしてくれて行かない方がいいんじゃないかとは言ってくれていた。



 でも、手紙の文字はすごく丁寧で、綺麗に整っていて、どこか柔らかくって。ご丁寧に封筒にまで入れてあった。



 このご時世、こんなのが入ってたらみんな気持ち悪がったり笑い物とかにするんだろうけど。





 ……この手紙の差出人は、そういう奴らとは違うんじゃないかなって、思ったんだ。







「しゃーねぇな。真面目に聞いてやるから話してみろ」


「今まで真面目に聞いてなかったのかよ」


「当たり前だろ。ロボ子さん自体俺は存在を否定している」


「そこは真面目な顔して言うな」






 でも。話してみろって言われても……ねぇ。

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