異世界渋谷駅

西沢陸

異世界渋谷駅へようこそ

序章 二〇二五年、一二月三一日

 二〇二五年、十二月三一日。


 東京メトロ渋谷駅構内に、突如として五つの異世界と繋がる『ゲート』が出現した。

 原因は不明。これだけでも世界は大いに混乱したが、そこに追い討ちをかけるように、『ゲート』から各世界の支配者を名乗る五つの種族が現れた。


 彼らは自らを『耳長族エルフ』、『剛腕族ドワーフ』、『猪族オーク』、『竜人族ズメウ』、『小人族コロル』と名乗った。


 この時の世界、特に日本国民の動揺は凄まじかった。

 ある者は戦争を、ある者は略奪を、ある者は蹂躙を覚悟した。そこまでいかない者達も、平和な国日本は終わりを迎えると確信した。


 しかし、そうはならなかった。


 むしろ異世界人達は、人間に対して非常に友好的であった。彼らは人間界に対して強い興味を持っていた。


 エルフは宝飾文化に興味を示した。

 ドワーフは製造文化に興味を示した。

 オークは風俗文化に興味を示した。

 ズメウは食文化に興味を示した。

 コロルは娯楽文化に興味を示した。


 そんな異世界人の王達と各国政府が、国連特別会議のもと、友好条約を結んだのは翌年の二〇二六年の事である。

 これをきっかけに、人間界と異世界の交流は瞬く間に進んでいった。


 そして世は二〇五〇年。今日も渋谷には異世界人達が蔓延っている。

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