俺は恋人をイケメンに寝取られて心が壊れた。しかし、異世界では無敵な勇者となって、魔王と戦う。その結果は……。今、俺は、イケメンと対決し、決着をつける。そして、素敵な美少女とイチャイチャして結婚したい。

のんびりとゆっくり

第1話 俺はイケメンに恋人をメロメロにされて寝取られた

 俺は陸馬春斗(りくうまはると)。高校一年生。


 俺には恋人である沼端居緒紗(ぬまはしいおさ)さんがいる。


 その居緒紗さんと俺はデートをしていたのだが……。


「い、居緒紗さん、これはどういうこと?」


 なんと、俺の目の前で、居緒紗さんは男とキスをしている。


 港の夕暮れのロマンティックな雰囲気に包まれる二人。


 俺が部外者であれば、うらやましい気持ちを持ったとしても、同時に祝福する気持ちも持つことができただろう。


 しかし、この二人は俺の知っている人たち。


 しかも一人は俺の恋人だ。


 俺が絶句していると、二人はお互いの唇を離す。


 そして、居緒紗さんは、


「わたし、縦板屋一郎(たていたやいちろう)くんと恋人どうしになったの」


 と微笑みながら言った。


「恋人どうし……」


「そうよ」


「これは、これは何かの間違いなんだろう?」


「間違いではないわ。ねえ、屋一郎くん」


 居緒紗さんは縦板の方を見ながら微笑んだ。


「そうだ、陸馬。俺たちは恋人どうしなんだ」


 勝ち誇ったように言う縦板。


「恋人どうし……」


「そうよ、そして、キスだけではなく、もう既に恋人どうしとしての次の段階にも入っているのよ」


「それは、まさか、二人だけの世界に入ってしまったということなの?」


 どうか、そうでないと言ってくれ!


 そうすればまだ俺たちはやり直すことができる!


 俺は淡い期待を持ったのだが……。


「その通りよ。わたしたちは二人だけの世界にもう入ってしまっているのよ」


 恥ずかしそうにしながら言ってくる居緒紗さん。


「それは、つまり、俺は縦板に居緒紗さんを寝取られてしまったということになるんだけど、それは本当のことなの? 冗談で言っているんだよね?」


 俺が寝取られたなんで嘘だ!


 さあ、居緒紗さん、今言ったことはただの冗談だと言ってくれ!


 そして、今日縦板とキスをしたのはたまたまだったと言ってほしい!


 俺はそう強く願ったのだが……。


「冗談で言っているわけないじゃない。何を言っているの、春斗くん。おかしな人ね。わたしはもう屋一郎くんにメロメロなの」


 居緒紗さんはそう言った後、俺のことを笑い始めた。


 そして、縦板も、


「お前にいいことを教えてやろう。居緒紗は俺に惚れたんだ、お前と違って、俺はイケメンだからな。居緒紗はお前のような男と付き合ってしまったことを後悔しているんだ。そうだろう、居緒紗?」


 と言った後、笑い始めた。


「そうよ。屋一郎くんの言う通り。なんで春斗くんのような平凡な男の人と付き合ってしまったのだろうと思って、後悔しきりだわ」


「そ、そんな。居緒紗さん、この間のデートだって、今日のデートだって、決して嫌がってはいなかったじゃないか?」


「あーあ、全くあなたはわたしの心というものがわかっていないのね」


「それはどういうこと?」


「じゃあ、教えてあげるわ。わたしは、中学校一年生で初めてあなたと出会った時以来、まあまあいい印象は持っていた。でも、自分で言うのもなんだけど、モテていたわたしは、中学生の間、告白をたくさんされて、その中の何人かの男子生徒と付きあっていたので、あなたのことなど眼中にはなかったわ」


 居緒紗さんがモテていたのは知っていたし、何人かの男子生徒と付き合っているという噂は聞いてはいた。


 しかし、本人からそういう話をされると、自分とは違う世界で生きていたことを認識させられて、ガックリしてくる。


「でも、中学生の時に付き合っていた男子生徒たちとは、わたしを満足させることができないから、一か月ほどでみんな別れてきたの。高校に入ってからも、すぐに告白してきた男子生徒は何人かいたわ。その中の一人と付き合ったのだけれど、結局わたしを満足させることができなくて、一回デートしただけで別れてしまったわ。それで、少し疲れてきたところで、わたしはあなたのことが気になりだしたの。あなたはイケメンというほどじゃないけど、まじめなところは好感を持ったから、付き合ってもいいだろうと思うようになった。それでわたしは、今度こそわたしを満足させることができそうな人かもしれないと思って、あなたに告白し、と付き合うことにしたのよ。それだけあなたに期待していたということ。今度こそは、一か月、いや、それ以上に長く付き合っていけると思っていたの」


 居緒紗さんはそう言った後、一度言葉を切った。


 そして、


「それなのにあなたは、他の人たちと同様、わたしを満足させてくれなかった。どうしてくれるのよ! また無駄な時間を使ってしまったじゃない。わたしの時間を返してくれないかしら。ああ、もう嫌だわ!」


 と。俺に対して吐き捨てるように言った。




(あとがき)


「面白い」


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