神鬼の狭間
ロールクライ
第一夜
角生やした男がいた。
男は自身の呼吸が乱れるほどに焦っていた。
――走る、走る、走る。
それはもう懸命に。
周りに人はいない。
それもそうだ。
今は夜中。
家がない人々を除けば、誰もが寝静まる時間だ。
「はぁ、はぁ――――誰かぁ!」
叫ぶ。
舗装された道、きれいな住宅街。
周りの迷惑など関係がない。
だって命の危機だと判断したからだ。
男の後ろにいるソレは次第に音を大きくする。
カンカンカンと音がなる。
それは一種のサイレンのようにも聞こえたが、誰も男とソレに気づくことはない。
男はすでに別の場所にいたからだ。
見渡す限りの住宅街。
暗くて見えなくとも男が知っていた場所である。
そのはずなのに、――なぜ広場に出ない?
――なぜ、同じ住宅街が続く?
男の疑問も当然である。
だが、男の後ろにいるソレはスピードを上げてやってくる。
サイレンのような不協和音を鳴らしながらやってくる。
そして、ソレは男に近づき体裂けていく。
いや、まるで男を飲み込むかのように口を開いたのだ。
――喰われない。
男はあきらめて目を瞑った。
だが、いつまでたっても痛みが来ない。
ゆっくりと、男は目を開く。
そこにいたのは、一人の青年であった。
刀と呼ばれる武器をもつ。その刀には血らしき液体がついている。
そしてその青年の奥には、真っ二つにされたソレがいた。
「―へっ?」
男にあるのは困惑だ。
それもそのはず。
先ほどまで人っこ一人の気配もなかったのに。
その青年は現れて、ソレを斬った。
青年は男に近づくと手を伸ばし、言う。
「大丈夫ですか?迷いこんでしまったんですよね。出口に案内するので、あまり動かないでくださいね」
青年はそう言うと、男をもつ。
それはもう軽々しく。
一人の大人を、簡単に持ちあげるとそのまま走り出した。
その速さは桁違う。
男は思う。魔法だろうか、と。
だが、男の知識が否定する。
少なくともかつて自身が習った学校では魔法を使えば、魔力が発生すると聞いたことがあったからだ。
彼は魔法を使っていない。ならば、亜人か?
でも、彼の姿は、普通の人間だ。
足も耳も普通。角だってない。
そんなことを考えているうちに視界が眩しくなって目を閉じた。
次の瞬間には一つの公園にいた。
「暗いから迷ったんでしょうね。気を付けてくださいよ。ああ、もし怪我していたらこの住所の場所を訪ねてください。事情を話せば、通してくれますので」
「は、はぁ。…あなたは、いったい?」
「俺?俺は
DSW…それは、世界全体に存在する組織の名。
表向きには、異能者や野良の魔法師の管理を行う組織。しかし、戦力を保持しているため、一部の国からは文句を言われているが列記とした目的があって保持しているという理由で魔法師や異能者を保持する組織。
表向きと言えど、戦力を保持しているのは一般人でも知っているほど有名な組織だ。
「まさかだけど、戦力を持っているのって…今のを。」
「そう、正解。じゃあ、これ以上言っちゃうと君も巻き込まれちゃうし、さよなら!」
敬語が無くなったのは彼が急いでいたからであろうか。
鬼上は男の前から姿を消した。
◇
「時間やばいな」
彼…鬼上鳴鬼は急ぎながらそう言った。
なにせ、彼は招集されていたのだ。
それにも関わらず、彼は別のことで時間をつぶしてしまっていた。
急いで目的の建物に入り、魔力込めて認証を終わらせる。
鳴鬼は建物に入った後、どんどん建物の奥に行く。
奥に行くにつれて壁や天井はぐにゃりと曲がり、その後すぐに光った。
「やっぱいつ来てもなれないな。この光」
そう口に出しながら、前に進んでいく。
目を開けるとそこは空高い天空島。
とはいっても実際に一般人から見ることはできない。
いわば別次元なのである。
そんなことも束の間、部屋の前に立つ。
そして息を一度吸ってからドアを開ける。
「失礼します」
「おう、入ってもいいぞー!」
そこにいたのはだらけきって服を着崩す自身が所属する部隊の隊長。
沖田隊長がそこにいた。
「何をやってるんですか…タイチョウ」
「ああ、猫の真似」
そう言って猫のように日が当たる場所で腕を伸ばす隊長。
「これで全員か?」
「知ってて言ってるの?竜玖がまだよ」
隊長のその言葉に反応するように長身で、長い髪を一つにまとめた一人の女性、刹那が言う。
ちなみに、竜玖とは鳴鬼の同期の一人でこの部隊…カリスト分隊に所属する竜人である。
ハアっとため息をつく刹那。彼女はこの部隊の副隊長であり、事実上のこの部隊でのまとめ役だ。
オキタ隊長は緊急時の場合には頼れる男なのだが、それ以外はふざけることが多く副隊長はそれに悩んでいる。
そんな空気の中。ダンッという音ともに勢いよく隊室に入ってくる人が一人。
「間に合ったあぁぁ!」
「いや、アウトだな」
「アウトですね」
「アウト…」
竜人の竜玖が現れた。
どうやら、竜玖が最後の一人だったようで、そのまま会議が始まった。
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設定集的な何か。
別次元について
狭間だったり
この世界に急に現れた謎のものでゲートを通じて移動できる。
そこには怪物がおり、危険視されている。混乱を避けるために一般に公開はされていない。
DSW
大まかな概要は作中で話した通り。
世界中に展開する巨大組織。
表向きには異能・亜人保護団体である。
世界観について
科学技術は普通にビルや飛行機などが飛び交う程度には発展している。違うのは竜人や獣人、エルフなどといった亜人がいたり、魔法が使えたりすること。また、亜人・人間に問わず、稀に異能力が発生する場合がある。こちらはあまり公にはだされていない。
※宇宙技術に関してはほとんど、否、全くと言っていいほど発展していない。
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